研究課題/領域番号 |
15750106
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 敬二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20325509)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ポリスチレン / 表面ガラス転移温度 / 拡散係数 / 表面 / 分子運動特性 / 拡散 |
研究概要 |
本年度は、高分子溶融体表面の熱運動性を分子鎖拡散挙動に基づき検討することを目的とした。測定は自作したFluorescence Recovery after Phtobleaching(FRAP)装置を用いて行った。膜が厚い場合、測定した拡散係数(D)は報告されているバルク値の6.0×10^<-4>μm^2/s程度でほぼ一定であった。一方、膜厚が100nm以下になると、Dは増加した。DからVogelの式を用いて薄膜のガラス転移温度(T_g)を算出できる。膜厚が100nm以下になると、ポリスチレン(PS)薄膜の分子鎖熱運動性が活性化することを示している。この膜厚は、用いたPSの非摂動状態における空間的拡がりと比較して十分に大きい。このため、分子鎖の形態エントロピー損失に基づいて結果を説明することはできない。膜が薄くなると、試料全体に対する表面領域の割合は著しく増加する。それゆえに、高分子材料の超薄化に伴う拡散係数の増加は表面の存在による効果が支配的であると結論した。
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