研究課題/領域番号 |
15750119
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 哲士 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60304036)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | シリコン / 水素終端化 / ハロゲン / ナノクラスター / 溶存酸素 / 表面 / ヨウ素終端化 / Si(111) / ハロゲン化 / ヨウ化水素酸 |
研究概要 |
本研究では、HIおよびHBr水溶液中における水素終端化Si(111)面のハロゲン化反応について詳しく調べた。まず、<1-1-2>とく112->方向へ微傾斜した(111)面を用いてそのstep構造(stepサイト)とハロゲン化反応との関連性をAFMおよび内部多重反射FT-IR法を用いて詳しく調べた。その結果、<1-1-2>微傾斜面は、<112->微傾斜面に比べると、ハロゲン終端化反応が促進されることが分かった。また、Si表面のエッチング反応を伴うハロゲン化シリコンのナノクラスター形成反応においても同様に<1-1-2>微傾斜面の方が促進されることが分かった。<1-1-2>微傾斜面は、もう一方の面に比べると、反応活性の低いmono-hydrideサイトよりも反応活性が高いdi-hydrideサイトを多く含む。よって、この結果は、ハロゲン終端化反応および、クラスター形成反応が、ハロゲンイオンによるdi-hydirideとの反応に支配されていることを意味している。詳しい解析の結果、di-hydride stepサイトがエッチングされると同時に、新たに現れたterraceサイトがハロゲン終端化され、またエッチング痕が同時にナノクラスターを形成することが分かった。これによって、ハロゲン終端化が活性であるstepサイトから起きずに、terraceサイトのみを終端していくことも説明出来るようになった。また、HIやHBr水溶液中の溶存酸素濃度を変化させて、形成されるクラスターの観察を行った結果、溶存酸素がある時のみ、ハロゲン終端化反応とクラスター形成反応が同時に起こり、溶存酸素がないとクラスター形成反応のみが進行することが分かった。これは、溶存酸素による酸化反応が、ハロゲン終端化反応と密接に関係していることを示しており、非常に興味深い結果となった。
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