研究課題/領域番号 |
15750155
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (2005) 大阪大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
長谷川 靖哉 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 助教授 (80324797)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 希土類 / ユーロピウム / 発光 / 非対称 / レーザー / 錯体 / 発光量子収率 / X線構造解析 / 発行量子収率 / 発光量子効率 |
研究概要 |
非対称型ユーロピウム錯体、Eu(hfa)3(TPPO)2をポリフェニルシルシスキ,オキサン(polyphenylsilsesqioxane : PPSQ)中にドープすることにより、錯体の非対称構造に基づくレーザー発振特性の向上を明らかにした。さらに、配位子場を非対称化させることにより、Eu(hfa)3(TPPO)2よりも優れたレーザー発振特性を導くことに成功した。これらのユーロピウム錯体の非対称構造はX線構造解析により明らかにし、その非解消構造に基づく電子遷移許容化の程度は量子化学計算(Judd-Ofelt解析)により見積を行なった。これらの解析結果から、ユーロピウム錯体の発光特性向上には非対称構造が極めて重要と結論した。 さらに、非対称配位子場を有するユーロピウム4核錯体(クラスター)の合成も行なった。このユーロピウム多核錯体は強発光特性とともに「熱耐久性」にも優れ、300℃以上の加熱においても発光特性を維持できることが明らかとなった。この特異的な「熱耐久性」は4つのユーロピウムイオンからなるネットワーク構造が重要と考えられる。さらに、配位子による「配位部位の非対称構造」が優れた発光特性を可能にしていると結論づけた。本研究は、強発光特性を示す希土類錯体を材料へ展開する上で興味深い成果である。 また、以上の考え方を応用することにより、強発光テルビウム錯体の合成にも成功した。このテルビウム錯体は強発光特性の他に「発光強度の高い温度依存特性」を有することも明らかにした。この「発光強度の高い温度依存特性」はテルビウムイオンから非対称型配位子へのエネルギー移動過程に起因することも明らかにした。
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