研究課題/領域番号 |
15750161
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
|
研究機関 | 分子科学研究所 (2004) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
阪元 洋一 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (80321602)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 有機電界効果トランジスタ / 有機n型半導体 / フッ素化ペンタセン / フッ素化テトラセン / 有機半導体 / 電子移動度 / ペンタセン |
研究概要 |
ペンタセン及びテトラセンを用いた有機電界効果トランジスタは、高いホール移動度を示すことから、活発な研究がなされている。一方、ペンタセン及びテトラセンの水素をすべてフッ素置換したフッ素化ペンタセン及びフッ素化テトラセンは、低いLUMOと高い平面性を持つことが予想され、高い電子移動度を有する有機n型半導体として非常に興味深い分子である。 我々はフッ素化ペンタセン及びテトラセンの合成研究を行い、これらの分子の合成に成功した。フッ素化ペンタセン及びテトラセンは、平面性の高い分子がπスタッキングを伴うカラム構造をとっていることがわかった。また、電気化学的測定より、ペンタセン及びテトラセンと比較すると、それらの還元電位はポジティブ側にシフトすることがわかった。これらの結果からフッ素化ペンタセン及びテトラセンは、高い電子移動度を有する有機n型半導体であることが期待できる。 実際にフッ素化ペンタセン及びテトラセンを用いた有機電界効果トランジスタを作製し、その特性を評価したところ、n型の特性が観測された。特にフッ素化ペンタセンは高い電子移動度(0.2cm^2/V.s,on/off比10^5)を有する優れた有機n型半導体であることが明らかとなった。この電子移動度は、これまでに報告されているn型半導体と比較しても高い値であり、今後、素子作製条件の最適化により、さらに改善されるものと期待される。また、p型半導体としてペンタセンを用いてCMOSインバータ及びAmbipolar-OFETを作製したところ、これらのデバイスが優れた特性を示すことがわかった。このように従来のp型ペンタセンと同等の性能を有するn型フッ素化ペンタセンの実現によって新しいデバイス展開が可能となった。
|