研究課題/領域番号 |
15750163
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業材料
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
有光 晃二 東京理科大学, 理工学部, 助手 (30293054)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 塩基増殖反応 / 有機-無機ハイブリッド / フォトレジスト / シロキサン / 光塩基発生剤 / アルコキシシラン / テトラエトキシシラン / フォトポリマー / 化学増幅レジスト / シリコーン樹脂 / 自己触媒反応 / オリゴマー |
研究概要 |
本研究では、塩基増殖反応を組み込むことで塩基触媒反応を利用した感光性有機-無機ハイブリッド材料の感度を飛躍的に向上させることを目的とする。昨年度までに、9-フルオレニルメチルカルバモイル基を有するオリゴシロキサンを合成し、このシロキサン樹脂を光塩基発生剤(PBG)と組み合わせることで感度数mJ/cm^2のフォトレジスト材料として機能することを見出した。今年度は、分子量の増大および無機的性質の向上を目指して9-フルオレニルメチルカルバモイル基を有するアルコキシシラン(FS)とテトタエトキシシラン(TEOS)との共重合体を合成し、その感光特性を評価した。 FSとTEOSを水と酸触媒存在下、加水分解重縮合することで塩基増殖基を有する共重合体(pFS_<1.0>-TEOS_<1.6>)を合成した。合成物の同定は^1H,^<29>Si-NMR、FT-IRスペクトルを用いて行った。合成したpFS_<1.0>-TEOS_<1.6>の重量平均分子量は6000であり、FSのホモポリマーに比べて分子量が2倍も増大した。 次に、10wt%のPBGを含むpFS_<1.0>-TEOS_<1.6>フィルムにUV光照射し、130℃で加熱したときのフィルムのIRスペクトル変化を追跡することで樹脂の分解挙動を評価した。その結果、pFS_<1.0>-TEOS_<1.6>は光化学的にPBGから発生した塩基の作用で塩基増殖反応を引き起こすことがわかった。 さらに、10wt%のPBGを含むpFS_<1.0>-TEOS_<1.6>フィルムの感光特性を評価したところ、感度3.2mJ/cm^2で、解像度は4-10μmのL&Sパターンまで確認できた。従来の塩基触媒を利用したフォトポリマーの感度が100mJ/cm^2前後であることを考えると、本研究によりレジストの感度を飛躍的に向上させることに成功したと言える。
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