研究概要 |
本研究は,広いバンドギャップ(4.leV)を持ち希土類を添加することで効率の良い発光を示す発光母体材料であるCaGa_2S_4の屈折率や複素誘電率を調べ,発光材料や固体レーザー材料としての応用面で必要となる基礎的な情報を取得することを目的としている。 このCaGa_2S_4は光学2軸性結晶であるため,光学定数の主成分が6つあり,その測定は非常に困難である。そのため,平成15年度では偏光透過強度(PTI)測定により,まずは透過領域での光学定数の見積を行った。そして,平成16年度ではこのデータを基にエリプソメーターを用いて真の光学定数である主屈折率の決定を行った。また,吸収領域においても,エリプソメーターを用いて,Aspnesらが示した解析法を用いることで,主複素誘電率のε_<yy>,ε_<zz>の両成分のスペクトルを求め,特異点解析により異方性を持つ7つの光学遷移エネルギーを見い出した。そして,(100),(010)面を用いて,残る1成分であるx方向成分の主屈折率n_xの解析も行った。 平成17年度は,エリプソメトリ測定において(100),(010),(001)面の3つの面と各2方向の入射面方向で測定を行い,これらを解析することで,すべての主屈折率成分n_x,n_y,n_zを正確に求めることに成功した。 そして,これらCaGa_2S_4の光学定数に関する結果を発表を行った。さらに,これら異方性結晶に対するエリプソメトリによる光学定数測定に関する技術や方法についても確立しその内容について発表を行った。
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