研究課題
若手研究(B)
アモルファス合金は、その低い剛性にもかかわらず、静的強度、衝撃破壊強度、疲労強度のいずれも大きいという特徴を持ち、その製品の開発が進んでいる。昨年度は、Zr単結晶および、Cu-Zr系の合金の結晶層に対する原子間ポテンシャルを提案し、弾性係数を始めとする力学特性の評価、および、弾性安定性を調べることにより、提案したポテンシャルパラメータの妥当性を確認した。さらに、提案した、Zr結晶に対するポテンシャルは、構造の総変体に深く関与することが知られているT1フォノンのN点での不意安定性も良好に再現しており、従来のパラメータよりも優れていることを確認している。今年度は、この研究をさらに進めて、申請者らが構築しているCu-Zr合金系の結晶相に対する原子間ポテンシャルを用いて、Cu-Zr系アモルファス合金の生成シミュレーションを実施し、その構造安定性と進行過程振のメカニズムを調べた。参照系を適切にとれば、安定したアモルファス構造を得ることを確認した。結晶構造のポテンシャルエネルギよりも、アモルファス構造のそれが低くなる結論を得たが、これは、相互作用の角度依存性を表現する指標である、スクリーニング関数を、より、詳細に、場合わけしてやり、適切な値を設定することで、この問題を回避できる可能性があることを示した。また、単軸荷重を負荷することにより、ミクロレベルで、構造がどのように変化するかを、ボロノイ多面体解析、動径分布関数、拡散係数を評価することによって、検討を試みた。
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関西支部第80期定時総会講演会講演論文集
第10回日本計算工学会講演会講演論文集 (発表予定)
IUTAM Symposium on Mesoscopic Dynamics of Fracture Process and Materials Strength (H.Kitagawa, Y.Shibutani(Eds.))(Kluwer Academic Publisher)
ページ: 107-116
110002477760
Abstracts of the 15th Symposium of the Materials Research Society of Japan
ページ: 228-228
第17回計算力学講演会講演論文集
ページ: 287-288
M&M2004材料力学カンファレンス講演論文集
ページ: 351-352