研究課題/領域番号 |
15760088
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械機能要素・トライボロジー
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研究機関 | 工学院大学 (2004) 東京大学 (2003) |
研究代表者 |
鈴木 健司 工学院大学, 工学部, 助教授 (50251351)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | マイクロマシン / すべり軸受 / 撥水性 / 表面張力 / 摩擦力 / 接触角 / 転落角 / ラプラス圧力 / 撥水面 |
研究概要 |
マイクロマシンの可動部では、スケール効果により表面力が体積力に比べて支配的になるため、表面力に起因する摩擦や摩耗の増大が問題となっている。本研究では、表面力の一種である撥水表面上の水の表面張力を利用して、新しい潤滑原理に基づくすべり軸受を開発した。この軸受は、相対運動を行う2平面上に撥水処理を施し、水滴を挟んですべらせる構造になっており、水滴に発生する正のラプラス圧力により荷重を支え、撥水面上での水滴の移動しやすさを利用して潤滑を行うものである。撥水材料としてパラフィンおよびPTFEを用い、撥水面の表面粗さと、水滴の負荷容量、摩擦力の関係を調べた。その結果、表面粗さの増加により負荷容量は増加するが、摩擦力はそれほど変化せず、水滴と固体表面の間に空気がトラップされる場合にのみ摩擦力が急激に減少することが確認された。また、摩擦速度が小さい場合には、摩擦力は速度にはよらず、水滴の外周の長さに比例することが確認された。この結果より、水滴の前縁、後縁に働く表面張力の差が摩擦力の原因となることを仮定して摩擦力の理論式を導き、実験結果と比較したところ、両者がよく一致することが確認され、理論の妥当性が示された。また、摩擦速度が速い場合には、速度の増加とともに摩擦力が増加し、その増分は、水滴が表面上を滑らずに転がっていると仮定したときの粘性力の理論値とよく一致した。このことから、水滴は撥水表面上を転がっており、速度が増加すると水滴内部の流動による粘性抵抗が摩擦力に影響を及ぼすことが確認された。
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