研究課題/領域番号 |
15760139
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
齊藤 弘順 崇城大学, 工学部, 講師 (00331059)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 脈動流 / 流れの可視化 / 温度場の可視化 / 境界層 / 渦 / 熱伝達率 / 熱伝導率 |
研究概要 |
本研究は内部流れを対象に、脈動流場を決定づける諸因子(平均流量、脈動のモード、周波数、振幅)による速度および圧力の変動が壁面近傍の速度・温度境界層に及ぼす影響を実験的に調べ、定常流中に内在する乱れと大規模な流量変動との相互干渉のメカニズムを解明することを目的としている。研究期間の最終年度である平成17年度はこれまでの総括として、特に平成16年度に得られた実験結果を中心に輸送現象に関する国際会議(ISTP16:16^<th> International Symposium on Transport Phenomena ; H17.8.29〜9.1,プラハにて開催)において発表した。 矩形管に平板を挿入(熱交換器やフィンの単純化幾何学モデル)したテストセクションを用い、特に脈動周波数が流れと熱伝達に及ぼす影響について着目して流れの可視化実験および温度場の可視化実験を行った。その結果、層流域においては、時間周期的に流量が変動することにより、流路幅方向に流速の大きな領域と小さな領域が交互に現れ、その速度差によって比較的小さな渦が多数形成されることが明らかとなった。この渦を伴う流れと大規模な流量変動とが互いに干渉しあい、非常に複雑な流れ場となることを示した。また、カラーシュリーレン法により温度境界層の時間変動を動画として記録し、それを時間分解データに分割し、瞬時瞬時の局所温度境界層厚さを計測することで脈動流場における伝熱促進(定常流と比較して)の様相を定量評価した。流れ場および温度場の両可視化結果を照らし合わせた結果、上記様々なスケールの渦を伴う複雑な流れにより、総じて脈動流の方が高い熱伝達率が得られるが、流路入口近傍(平板先端付近)では流れの脈動によって伝熱が抑制されることがわかった。この特徴は周波数が大きくなる程顕著に現れた。これは流路入口近傍では、時間平均的には局所的に流体速度が小さくなった(渦による逆流成分の影響)ためと考えられる。本論文は同会議においてベストペーパーの一つに認められ、IJTP (International Journal of Transport Phenomena)への掲載が決定した。現在、同雑誌掲載原稿の校正中である。
|