研究課題/領域番号 |
15760149
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
長塩 知之 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80334580)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 移動体通信 / ゲインスケジュール制御 / 持続性周期外乱 / パラメータ推定 / ノッチフィルタ / FFT / LMI / 外乱抑制フィルタ / 線形行列不等式 / H∞制御 / 成層圏プラットフォーム / 強正実 / 対称 |
研究概要 |
本研究では、高速で移動する移動体(自動車、船舶、航空機)に搭載された可動式アンテナを、地上の固定基地局、あるいは、軌道上を周回している人工衛星や成層圏プラットホームなどの通信対象に対して、高い精度で指向させることができる制御系の設計法を検討した。このようなシステムにおいては、移動体に時々刻々変化する持続性外乱が作用することが考えられ、高精度の指向性を確保するためには、その影響を低減できる制御手法の適用が求められる。また、移動体と通信対象の相対位置は、短時間内に大きく変化するため、その変化に対応したアンテナの回転駆動により生じる制御対象の物理パラメータ変動や、通信対象に対する追従制御系の構築、などの問題を考慮する必要がある。そこで、本研究では、移動体に作用する持続性外乱の影響を低減するために、外乱抑制フィルタの周波数を変動パラメータとしてアフィンパラメータ依存形式で記述し、アンテナの追従制御を実現するためのローパスフィルタと合わせて用いることにより、H∞ゲインスケジュール制御設計法の枠組みの中で、最適となる制御器を設計する手法を提案した。また、提案手法を効果的に機能させるために、FFTを用いたスケジューリングパラメータの推定手法についても検討した。提案した手法の有効性は、車両に搭載された可動式アンテナのモデルを用いた数値シミュレーション、及び、それを模擬した実験装置による実装実験、のそれぞれにおいて確認された。 今後の課題としては、移動体の発進、停止による姿勢角度変化や三次元モデルを用いた旋回運動など、より現実的な運用状況下に対する検討が求められる。また、より高精度な制御系を実現するため、未知の外乱周期に対応できるフィルタの数を事前に決定する手法、及び、フィルタの数に比例して増加する制御器の次数を低次元化する手法、などについても検討する余地がある。
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