研究概要 |
埋込型永久磁石同期電動機(IPMSM)の制御法として比較的制御構成が簡単な直接トルク制御(DTC)に着目し,この制御法と最大トルク制御法を組み合わせた時に,トルク応答が悪化するのを防ぐ制御法を提案し,シミュレーションにより検証を行ってきた。 本年度は,本研究で提案する高速直接トルク制御法の有効性を実験により明らかにすることを目的に研究を行い,下記の結果を得た。 1.実験による有効性の検証 昨年度,汎用IPMSMから突極比が大きなIPMSMに電動機を置き換えたが,これを用いて,磁束補償を加えた提案法により実験を行った結果,始動時では,1ms程度のトルク応答改善効果が得られた。この結果は,平成16年電気学会産業応用部門大会にて発表を行った。 2.直接トルク制御装置の構成法に関する検討 直接トルク制御では,制御周期が長くなるとトルクリプルが増加してしまうなどの問題がある。FPGAを用いることで、制御周期を短くすることが出来る。FPGAを用いた制御装置の構成として,ソフトCPUとハードウェアロジックを組み合わせたものと,ハードウェアのみで構成したものについて比較検討した。この結果は,6th International Conference on Power Electronics ICPE'04にて発表した。 3.遠隔操作可能な直接トルクコントローラの開発 FPGAとソフトCPUを用いて制御装置を構築した場合のメリットを活かして,LANを介して遠隔地から電動機の始動・停止,トルク指令値の設定,電流及び磁束の表示を行うことが出来るWebブラウザ上で動作するインターフェースを構築した。この結果は,The Fourth International Power Electronics and Motion Control Conference IPEMC 2004にて発表を行った。
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