研究課題
若手研究(B)
光導波路に沿って斜めから弾性表面波を励振するIDTアレイ素子を多数配置し高速なスイッチング速度と優れた波長選択特性を実現する本構成の波長チューナブル光フィルタについて、引き続きLiNbO_3、LiTaO_3、KNbO_3基板などの各種弾性表面波モードに対する伝搬特性および音波と光波の相互作用による光フィルタ特性について解析を行い、最適な結晶方位角および光導波路に対する音波の入射角度を求めた。弾性表面波を励振するための各IDTアレイ素子において、各素子の音響パワーと位相に重み付けをすることによるフィルタの波長選択特性について解析を行った。IDT電極アレイの数を2n+1とし、各アレイ素子から放射される音響パワーに対してハニング関数やハミング関数などの窓関数による離散重み付けを行ったところ、波長選択特性、特にサイドローブレベル抑圧効果が非常に大きく改善されることがわかった。また、IDTアレイ対数nを増加させることにより、波長選択特性は窓関数の特性に漸近していき、またスイッチング速度も速くなるが、本構成による波長チューナブル光フィルタへの応用を考えた場合には、n=1つまりIDTアレイ数3本においても実用上十分な波長選択特性とスイッチング速度が得られることがわかった。また、本構成では音響パワーを動的に変化させることが可能なため、用途に応じて、あるいは温度による特性変化を補償するために波長選択特性を瞬時に動的にチューニングすることが可能となる。また、音響パワーによる重み付けに加えて各IDT電極アレイ素子間に位相差をもたせることによっても、波長選択特性に変化をもたせることができることを明らかにした。また、薄板に形成した光導波路中を伝搬する光波と、同じく薄板を伝搬する低次モード高結合弾性波を相互作用させることにより、高効率な光フィルタが実現できることを示した。
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IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control (印刷中)
2005 IEEE International Ultrasonics Symposium