研究概要 |
自端末の周囲の状況から動作アプリケーションに適したネットワーク構造を構築するために必要な情報を取得するために,Bluetoothの通信技術を利用する。Bluetoothの同期確立機能により周囲の機器・端末を自動的に認識し,それらの端末(ノード)の情報を特定のノード(BS)に集約する。ここで収集するノード情報は,BSまでのマルチホップ中継数と空間位置情報である。従来,Bluetoothを用いたスキャッタネットでのパケット配信の際,ブリッジになったノードのピコネットの切り換えにより,性能低下が生ずる問題がある。この問題に対し,スキャタネットを用いずにピコネットだけでネットワークを構成するMultihop Bluetooth Network (MBNET)を提案した。MBNETでは,各ノードにBluetoothデバイスを2つ装備すること,ピコネットに接続可能なノード数を制限することにより,通信状況に応じたネットワークの構成,通信速度制御が可能である.このMBNETにおいて,BSに集約された他のノードの情報を基に,任意のノードからBSへの,共通の中継ノードを持たない通信経路を最低限2つ有するようなトポロジ構築アルゴリズムを提案した。どのノードにおいても独立な通信経路を2つ持つことを優先したアルゴリズム,BSへの平均中継ノード数を少なく抑えるアルゴリズムを提案し,計算機シミュレーションによる性能評価を行った。 一方,提案するアルゴリズムの実装のため,本年度購入した開発用ソフトウェアによる開発環境を整備した。さらに,本年度購入した移動携帯端末(PDA)と無線通信デバイス(Bluetooth)を用いて基本性能評価用実験システムの整備を開始し,各機器の動作確認を行った。
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