配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
本年度に行った研究を要約すると次のようになる. (1)不均一誤りに対応する量子誤り訂正符号の構成法の検討 一昨年度提案した,特定位置量子誤り訂正符号を一般化した,量子不均一誤り保護符号の構成法を検討した.具体的には,昨年度検討した,スタビライザーを2つ組み合わせるアプローチを進め,できあがったスタビライザーの組み合わせに対応するブロック行列の恒等作用素列の部分にパウリ作用素を適用することで,量子不均一誤り保護符号が構成できることがわかった. (2)不均一誤りに対応する量子誤り訂正符号の性能の検討 (1)で検討した,量子不均一誤り保護符号の能力について考察した.その結果,2つのスタビライザーの重複部分の誤り訂正能力が,個々の能力より上がる例があることがわかった.また,その際,重複していない部分が,元の能力を保持することは,いかなる場合にも保証されることがわかった. (1),(2)を合わせ,量子不均一誤り保護符号と呼べる符号の一つの構成法が確立されたと言える. (3)特定位置量子誤り訂正符号の応用プロトコルの検討 一昨年度提案した,特定位置量子誤り訂正符号の新しい応用法の検討を進めた.昨年度,発見的手法で,量子情報のセキュアな伝送あるいは処理を目指した,プロトコルのクラスを示したが,これを再考察し,従来のプロトコルの拡張として,その改良プロトコルが得られることを示した.また,このプロトコルのクラスが,正確にパウリ通信路に対応するものであることを証明した.さらに,具体的なプロトコル例として,3者間量子プロトコルを提案した.
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