研究課題/領域番号 |
15760276
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
安達 雅春 東京電機大学, 工学部, 助教授 (20312035)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カオス / 神経回路網 / サロゲート法 / カオスの維持 / 反カオス制御 / 反制御 |
研究概要 |
本研究では、非一様結合カオス系において、所望の特性を有するカオス的な動作を実現し得るパラメータの設定を従来の分岐解析などに比べて少ない計算量で行う手法の確立を目指す。具体例としては、連想記憶カオス神経回路網モデルにおいて、記憶パターンの遍歴的想起と軌道不安定性を共に実現するパラメータの設定法の確立および制御による、このような動作の実現を目指している。 本年度は、カオス連想記憶神経回路網モデルにおいて、記憶パターンの遍歴的想起と軌道不安定性を両立させるカオス的な動作を実現している状態の詳細な解析手法として、新たにサロゲートニューロン法を考案し、これを用いて記憶パターンの遍歴的想起と軌道不安定性を両立させる状態の詳細な解析を行った。このサロゲートニューロン法とは、非線形時系列解析の一手法であるサロゲート法を応用し、結合カオス系の構成要素のカオス素子の一部の出力時系列を一定期間保存し、この時系列の統計量のいくつかを保存した擬似時系列データを作成し、これを対象カオス素子の出力として他の素子へのフィードバック信号として供給した際の結合系全体の振る舞いを、元のカオス素子の完全結合系の振る舞いと比較することにより、元の結合系のダイナミックスにとって重要な役割を果たす構成素子の出力が備えるべき統計的性質を明らかにするという手法である。 この手法を連想記憶カオス神経回路網モデルにおいて、記憶パターンの遍歴的想起と軌道不安性を共に実現している状態の解析に適用して解析を行った。その結果、カオス結合系の構成素子自身の自己相関特性のみならず、構成素子間の相互相関がこのような遍歴的想起状態の維持にとって重要な役割を果たすことが判明した。この解析結果は、このような遍歴状態を生成するためには、素子間の相互相関を維持するようなパラメータ設定や制御を行うことが有効であることを示唆するものであり、本研究で目標としたパラメータ設定を実現する見通しを得ることが出来た。
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