研究課題/領域番号 |
15760411
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
肴倉 宏史 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (70331973)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ごみ溶融スラグ / 環境安全性 / 拡散溶出試験 / 重金属 / 溶出フラックス |
研究概要 |
ごみ溶融スラグは路盤材など粒状のまま利用される場合や、コンクリート骨材など材料として成型後に利用される場合が想定される。拡散溶出試験はこれらの利用状況に応じてスラグからの溶出成分の環境影響を評価できるが、試験に2ヶ月程度を要するという問題がある。そこで本研究では拡散溶出試験の試験期間の短縮を目標として、溶出挙動に影響を与える因子の検討を行った。試料はごみ溶融スラグを粒状のまま用いたものと、スラグをセメントと混合し作成したモルタルの2種類を用いた。 その結果、温度と攪拌の影響についてはスラグとモルタルで異なった。スラグの場合、拡散傾向を示した元素については攪拌有り・高温側で、また、拡散傾向を示さなかった元素は攪拌有り・低温側で溶出が促進された。モルタルの場合、攪拌による影響は小さく、恒温側で溶出が促進された。温度影響については、拡散傾向を示した元素について、有効拡散係数と絶対温度の逆数の関係から整理した。 次に、溶媒量と浸漬時間の影響を検討した結果、これらの条件を変更することにより、飽和溶解度の影響を受け溶出が制限されるかどうかについて確認できることがわかった。ただし、溶媒量を増やすと溶液濃度が低下するため、重金属などの微量成分の測定が困難となった。 以上の結果を踏まえて、試験期間の短縮のための最終条件を決定した。具体的には、25℃、スターラー撹拌、試験期間は8日間とした。この条件と、通常行われる2ヶ月間の試験結果との比較を行った結果、拡散律速挙動を示す元素の場合には、長期的な累積溶出量予測値の差異は±15%程度であることを確認した。ただし、微量成分の定量下限以下の問題や、沈殿・吸着などの問題から、拡散律速挙動を確認できる元素はごく一部であった。そこで易溶性塩類の拡散係数をベースに、難溶性成分の挙動を簡易予測する解析法の開発が課題として挙げられる。
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