研究課題/領域番号 |
15760426
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
向井 洋一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70252616)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 構造制御 / 免震構造 / ハイブリッド式免震 / 連結振り子 / 負剛性 / 動吸振器 / 定点理論 / アクティブ制震 / 制御アルゴリズム |
研究概要 |
本研究計画では、アクティブパワードマスカプラ(連結振り子)式制震(振)システムの開発を目指し、最終年度は、本制震システムの特性を生かした具体的な応用手法を提案するための研究に取組んだ。アクティブパワードマスカプラは、構造物に設置した動吸振器の付加質量部を、地盤面等の固定面とも別途連結し、アクチュエータでこの連結材のふるまいが、みかけ上負剛性を有するように制御を行うシステムであり、動吸振器に要求される付加質量を大幅に低減しても、同等の減衰性能を維持可能なような改良が加えられる。前年度の研究では、実験装置の試作によりアクティブパワードマスカプラの性能評価を行ったが、模型レベルでは制御装置の減衰調整がフレキシブルに行えないため、実験条件は限定されていたが、免震構造のような長周期の振動系の特性改善のための本システムを利用の有望性が指摘された。 そこで本年の研究では、この成果を裏付けるため、免震構造物系を対象とし、その特性改善にアクティブパワードマスカプラを利用するための設計法の提案を目指し、数値実験を中心とした検証を行った。得られた成果を概述すると以下のようになる。 (1)免震構造物系に設置される粘性減衰要素は、免震化領域の周波数成分をもつ外乱入力に対し、免震効果を損なうが、アクティブパワードマスカプラを代置することで、その特性は改善可能であることが示された。 (2)定点理論に基づき誘導したパワードマスカプラ式制震システムの調整式を連結振り子付きハイブリッド式免震構造物に適用するための設計法を提案し、数値実験により地震時挙動のシミュレーションを行った結果、提案手法の有効性が示された。 (3)パワードマスカプラ式制震装置を免震構造物の支承部に設置することにより、長周期成分を含む外乱に対しても、免震層の加速度応答増加が抑制されると同時に、免震層の変形抑制効果もあるが示された。
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