研究課題/領域番号 |
15760445
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 日本大学短期大学部 |
研究代表者 |
羽入 敏樹 日本大学短期大学部, 建築学科, 講師 (70299981)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 森林 / 音響 / コンサート / 森林音響 / 残響 / 残響理論 / 残響予測 / モンテカルロシミュレーション / 方向情報 / 音響測定 / 森林音響マップ |
研究概要 |
本研究の目的は、第1に音響的見地からの森林の新たな価値創造、第2に森林における音響空間創出のための残響理論構築である。平成16年度は以下の項目を実施した。 1.第2回森林の音響測定 伊豆天城高原の林野庁森林計画区にて音響調査を実施し以下が明らかになった。1)森林で生じる残響は主に木の幹が音を反射する事により水平方向で生成されている。2)室内の場合のように指数減衰ではなく、時間に依存して減衰率が変化する(エネルギと時間の両対数軸で直線となる)。 2.森林音響の聴感的特徴 森林で生じる残響の聴感的特徴を明らかにするために心理実験を行ない以下の結果を得た。1)室内では残響感と明瞭性は相反する要素となりやすいが、森林では大きな残響感が得られる場合でも高い明瞭性が得られる。2)残響レベルは小さいが響きが長時間残る独特な残響感である。 3.縮尺音響模型実験 1/20縮尺音響模型実験を実施し以下の結果を得た。1)森林が広いほど残響エネルギが増し残響が長くなるが、残響が増えなくなる必要十分な広さがある。2)植林密度および木の太さが大きいほど残響エネルギが増えるが残響の長さは変わらない。3)響かせたい周波数の波長以上の木の高さが必要である。 4.森林における残響理論の構築 確率統計的アプローチにより、時間に依存して減衰率が変化する森林独特の残響メカニズムを解明し残響理論式を見出した。木の太さと植林密度の積が一定ならほぼ同じ残響が得られる。 5.モンテカルロシミュレーションによる残響予測 モンテカルロシミュレーションにより、さまざまな属性を持つ森林の残響予測が可能となった。理論式とシミュレーション結果は一致した。また、森が十分に響くための条件も明らかになった。 6.第3回森林の音響測定 第1、2回測定の伊豆とは属性が大きく異なる新潟県松之山町美人林にてシミュレーション結果の検証実験を行った。その結果、シミュレーションで予測されたとおり、伊豆の森林と属性がまったく異なるにもかかわらず、ほぼ同様な残響が得られることが確認された。
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