研究課題
若手研究(B)
1.オープンスペースの使われ方調査平成15年度の調査結果をふまえ、オープンスペースの環境条件と利用頻度の関連についてアンケートと実地観察により詳細に調査した。調査結果から同じスペースを共有する学級数が少ない方が、また、単位面積あたり家具のエッジが多い方が多く使われていた。同僚間のコミュニケーションの次元が少ない方が心理的負担が少なく、アフォーダンスが長い方が利用が促進されると考察された。また、教室内からの可視(監視可能)範囲が利用範囲となることが観察された。2.全体のまとめア)オープンな学習空間は多様な学習活動を機能的に支えるだけでなく、言説からは「開かれた教育」の象徴という面が強い。イ)従前は多様な学習「活動」が重視されたが、先進事例では多様な学習「スタイル」に関心が向けられ、コンセプトがカリキュラムに加えて行動心理の次元にも重層化している。同様の流れはオフィスにもみられ、学校よりも先鋭的にワークスペースの非集約化・分散が進んでいる。ウ)オープンな学習空間は、活動が個別化・分散化する状況をコントロールする技術を要求する。児童生徒には伝統的な教室と異なる規範が、教師(学校)には空間的に分散した児童生徒を情報・時間を同調させる技術が要求される。エ)環境面では、与条件である学級規模・密度と、ユーザが設定する家具配置・ルールの両面がオープンスペースの利用頻度に関わっている。家具配置によるアフォーダンスの多少や情報・時間を同調させる方策は、空間の利用しやすさに影響すると同時に、空間を利用するユーザの意思とも関連している。オ)オープンな学習空間を象徴・道具ではなく「環境」として見ると、物理的かつ社会的枠組みとして捉えなければならない。「オープン」の概念は多目的・連続的から、分散化に変化している。しかし、実態としてはオープンな空間も伝統的教室空間の規範に沿って用いられていると考えられる。
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Abstracts, The 1st International Symposium on Environment, Behaviour and Society, The University of Sydney
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日本建築学会2005年大会(近畿)学術講演梗概集 E-1分冊
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日本建築学会学術講演梗概集E-1 2004年
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LAPS2004:18th Conference of the International Association for People-Environment Studies, Vienna, Austria (CD-ROM出版物)