研究課題/領域番号 |
15760469
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
橋本 清勇 広島国際大学, 社会環境科学部, 助教授 (50273470)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 木造住宅 / 長期耐用化 / 維持管理行為 / 民家 / 中古住宅流通 / 木造建物 |
研究概要 |
本研究は、地域に根差した木造住宅を、安全かつ快適に長期間使い続けるための方策を探ることを目的としている。特に建物や居住者だけでなく、大工・職人、関連業者、設計者、行政など住宅の周囲を取り巻く主体との関わりをも視野に入れ調査・分析し、居住・所有時における木造住宅の長期耐用化支援方策を明らかにする。具体的には、民家や農家、町家などの伝統的木造住宅と、在来木造住宅とが共存する地域として、京都市地域と東広島地域を中心に事例を抽出し、両者の建物特性、居住履歴、居住者属性、ライフスタイル、住意識、維持管理行為、さらに大工・工務店や設計者、行政などの関わりなどについて、現地調査および関係者への聞き取り調査により比較・分析を行った。それらの結果、(1)子の転出、世代交代による建物相続時に建物の放置、老朽化、解体が発生しやすいこと(建物継承問題)、(2)伝統的木造住宅のデザイン・機能が相続者・後継者のライフスタイルにあわせた形で改変・更新されにくいこと(デザイン・技術問題)、密集市街地等で建物・敷地が小規模、長屋のように連棟形式である場合は特に困難であることが確認できた。また伝統的木造住宅を見直す動きがある一方で、(3)建物廃棄時期が不適切な維持管理・修繕行為、専門職による維持管理行為支援の低下、中古住宅・建材の保証・流通システムの未成熟さなどにより加速される場合も多々見られることも明らかになった。今後、木造建物の長期耐用化を図る上で、建物構造の安全性向上とともに、社会制度面での建物解体抑制支援(解体工事への課税、改修工事への経済的支援など)、健全な維持管理行為推進(定期的建物検査とその保証システム、経済的支援、中古住宅流通システム)とともに、現代的ライフスタイルに適したデザインや機能の開発支援、私的財産としてだけでなく社会的財産としての住宅の価値観の普及支援などの方策が考えられる。
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