研究課題/領域番号 |
15760493
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
小笠原 一禎 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (10283631)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | XANES / 遷移金属 / 多重項 / 第一原理計算 / 相対論効果 / 磁性材料 / MCD / MLD / 電子状態計算 / 磁気円二色性 |
研究概要 |
本年度は、主にX線吸収端近傍微細構造(XANES)の磁気直線偏光二色性(MLD)や磁気円偏光二色性(MCD)を計算するためのプログラム開発を行った。まず、これまでの相対論配置間相互作用計算プログラムにおける多電子系ディラクハミルトニアンにZeeman項を加えて計算するルーチンを付け加えることにより、磁場を加えた場合の電子状態計算が可能なプログラムの開発を行った。このプログラムを用いてNiO中のNiについて、磁場中での多重項準位構造の計算を行ったところ、Zeeman効果による分裂が再現された。また、Zeeman分裂した時の最低エネルギー状態のみを遷移の初期状態としてNi L_<2,3>端におけるXANESを計算することにより、入射X線の偏光方向が磁場に平行か垂直かで異なるスペクトルが得られ、MLDが再現された。次にMCDの計算を可能にするために、相対論配置間相互作用計算によって得られた多電子波動関数を用いて入射光が円偏光の場合の吸収スペクトルを計算するためのプログラムを開発した。これを用いて、CrO_2について、同様にZeeman分裂した最低エネルギー状態を初期状態として、Cr L_<2,3>端におけるXANESの計算を行ったところ、光の入射方向が磁場に平行か反平行かによって異なるスペクトルが得られ、MCDが再現された。さらに、CO_2においては、磁場の方向によってMCDの符号が変化するという、特徴的なMCDの異方性が実験的に報告されているが、磁場の方向を変化させた計算を行うことにより、この特徴的な異方性を、パラメーターを一切用いることなく再現できることがわかった。
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