研究課題/領域番号 |
15760501
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50314240)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ランダムフォトニック構造 / 光多重散乱 / 光反応 / 光の局在化 / 高密度光記録効果 / ゾルーゲル法 / 相分離 / 光局在化 |
研究概要 |
20世紀の社会を支えた基盤技術は半導体エレクトロニクスであり、レーザーの発明から始まったオプトエレクトロニクスと併せて極めて有効な技術として発展してきた。エレクトロニクスがシリコン等の半導体中の電子の振る舞いを制御することによって成り立っているのに対し、オプトエレクトロニクスでは光を利用しているが、現在のところ半導体中の電子のように、光を自由自在に制御する技術は十分確立されていない。このため、誘電率が光の波長程度の空間スケールで変化した微視的構造体を用いて、光の導波性や自然放出寿命などを制御する技術が待望されている。 平成16年度は、光の波長程度の空間スケールで誘電率が不規則に変化した微視的構造体として、マクロ多孔体に焦点を当てた。具体的には、スピノーダル分解とゾルーゲル転移を並行して誘起させることにより、Sm^<2+>を添加したAl_2O_3-SiO_2系マクロ多孔体を作製した。出発物質であるアルミニウムのアルコキシドおよび添加した高分子の量に依存してマクロ多孔構造が変化することを見出した。また、サブミクロン〜数ミクロンの範囲でマクロ孔の大きさを制御できることがわかった。Sm^<2+>を添加したマクロ多孔体において光記録特性を検討し、光の波長と入射角度だけでなく偏光が記録されるホログラフィーに類似の高密度光記録効果が現れること、ならびに、その記録特性が媒体の散乱強度によって制御できることが確認された。加えて、従来のシリカ系だけでなく、チタニア(TiO_2)系においても、マクロ多孔構造の形成が可能となった。その散乱特性はマクロ孔径と気孔率、骨格とマクロ孔(空気)の屈折率差によって制御できることが明らかになり、多孔質材料が新規な高密度光記録用媒体として有用であることを示した。
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