配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
核生成理論によると、過冷却合金から結晶化に伴う自由エネルギー変化の大きさから、外的静水圧が核生成に影響を及ぼすには、GPaオーダー程の超高圧が必要とされる。このような超高圧を用いない場合、過冷却合金は結晶化によって体積収縮を伴うので、過冷却合金を真空雰囲気で鋳造すると核生成が抑えられる結果、ガラス形成能が高まると考えられてきた。これに対して報告者らはZr-Al-Ni-Cu-(Pd,Pt)系やCu-(Hf,Zr)-Ti系のように、過冷却合金から初晶としてナノ準安定相(特に準結晶相)粒子が多量に均一分散する一部のガラス合金系では、10^<-3>Pa程度の真空圧力において、過冷却合金の核形成が著しく促進されてナノ結晶析出能が増大し、従ってガラス形成能が低下する一方で、大気圧(10^5Pa)中では、これが抑制される結果、合金のガラス形成能が著しく改善する"逆"依存性を非超高圧領域で観測し、世界に先駆けてこれを報告した[H.Kato et al.,Scripta Mater.,51(2004)1063-1068]。この原因・機構を明らかにするには至らなかったが、過冷却合金の鋳造奮雰囲気圧力を制御することによって、ガラス形成能またはナノ結晶形成能を制御できることが明らかとなった。この合金系では、非ニュートン粘性流動中のせん断応力が、合金中の核生成を抑制することが分かっており、静水圧力とせん断応力が結晶化に大きな影響を及ぼすことが本研究成果より明らかとなった。
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