研究課題/領域番号 |
15760521
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
車田 研一 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院・大学教員(助教授) (80273473)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | siloxane foamed structure / instantaneous heating by radiation / closed-porosity structure / improved resistance to humidity / degree of polymerization of siloxane resin / 1nm-scale nuclei of foaming / prevention of crack formation by sufficient polymerization / importance of annealing |
研究概要 |
固体中におけるナノ孔の分率は多孔質材料の性能を決定する重要なパラメターであり、その制禦因子を明確化することは重要である。本研究ではシロキサン樹脂の急速加熱重合時に発生する孔のナノ領域での量的な増大を誘発する諸要因を検討した。本年度は特にシロキサン樹脂を予め架橋高分子バルク体中で重合し、その後急速に加熱することで架橋高分子を熱分解し空隙率を可能な限り上昇させる方法を検討した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)様々な架橋高分子系をシロキサン樹脂の媒体高分子として試用した。その結果、イソプロピルアクリルアミド系の親水型架橋高分子が本目的上きわめて優れた性能を発揮することがわかった。すなわち、乾燥工程中で偏析を起こすことがなく、内部でのシロキサン樹脂塊の10nm以上の成長を有効に防ぐことが出来ることがわかった。 (2)シロキサン樹脂の媒体として用いるイソプロピルアクリルアミド系の親水型架橋高分子の添加分率を増大することにより最終的に得られるナノ領域での空隙率を順次増大させることが出来る事がわかった。シロキサン樹脂期待生成量に対して10倍まで媒体高分子の量を増加させると、孔径10nm以下のナノ孔領域だけで空隙率85%-90%を安定してこえることが出来ることがわかった。 (3)添加高分子はシロキサン樹脂中に生じる孔を"through pore(開孔)"にする傾向がある。このため、添加高分子を使用せずに作製した場合と比較すると極めて大きな吸着効果が得られることがわかった。 (4)重合反応時に保温を行うことにより重合の速度を一定以上に保持しておくことが出来ることがわかった。これは工程時間の短縮を考えたときには有効な知見である。 (5)反応容器体積は重要なパラメターであることがわかった。これは(4)と極めて深く関連しているが、重合反応熱を逃がさないような反応容器を使用することにより重合工程の時間を短縮できる上に、全体的な架橋構造のパーコレーションを早期に誘発することが出来るので、巨視的な相分離による添加架橋高分子の無駄を防ぐことが出来る。
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