研究課題/領域番号 |
15760522
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 大樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (00335192)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | アルミニウム合金 / 熱間押出し加工 / 動的再結晶 / EBSP / 結晶粒微細化 / 熱間押出 |
研究概要 |
Al-Zn-Mg-Cu合金に血を過飽和に(4mass%)強制固溶させた急冷凝固粉末を作製し、77Sk,3.6ksの熱処理を施し、長さ1μm幅数百nmの棒状Mn金属間化合物を多量に分散させた後、773Kで熱間押出し加工を行った。押出し加工を途中で止め、急冷することにより押出し途中の組織を保存した試料を作製し、ラム近傍から押出し口近傍までのMn金属問化合物周辺の加工組織の発展、そして動的復旧過程を調べた。組織観察には高分解能SEMに搭載したEBSPにより行った。 粒内に存在するMn金属間化合物の周りには押出し初期には転位が堆積することにより形成された小さい方位揺らぎが観察された。押出しが進行するにつれ、堆積する転位量が増加し、転位セル組織が形成された。押出し加工は熱間で行っているため、加工途中に動的回復が生じ、転位セル壁が再配列し、亜結晶粒界となり、さらに押出しが進行するにつれて、その亜結晶粒界にさらに転位が堆積し、高傾角化する様子が観察された。この様にMn金属間化合物周りに動的回復を伴う連続動的再結晶が生じることにより微細結晶粒が形成されることが分かった。 また、初期粒界上に析出したMn金属間化合物の近傍ではさらに微細粒の形成が活発であることが分かった。粒界近傍では加工変形時に隣接する粒の拘束力が働くため、粒界域剪断応力が加わり、転位導入量が多く、連続動的再結晶が頻繁に生じたと考えられる。但し、Mn金属間化合物が存在しないAl-Zn-Mg合金では熱間押出し中に粒界移動が容易に起こるため、粒界近傍の転位密度が粒界の長距離移動により減少し、連続動的再結晶は生じない。しかしMn金属間化合物が粒界上に存在すると、粒界の長距離移動が困難になるため、粒界の長距離移動を伴わない連続動的再結晶現象が生じることにより粒界近傍の転位密度が減少することが分かった。
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