研究課題/領域番号 |
15760590
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
境 慎司 九州大学, 工学研究院, 助手 (20359938)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | がん治療 / 細胞包括カプセル / マイクロカプセル / 細胞治療 / シリカ / ゾル-ゲル法 / 細胞包括マイクロカプセル / 血管新生抑制因子 |
研究概要 |
平成16年度は(a)カプセル内の細胞生存に関するデバイス形状の最適化および(b)動物実験を行うことでの生体内での有効性の評価を行い、以下のような知見を得た。 (a)これまで使用してきたカプセルは粒子径が約500μmのものであり、生体外での細胞培養で、細胞への酸素や栄養分の供給の問題から、早期の細胞の機能廃絶が問題であることが見出された。そこで、カプセル径をさらに微小化する技術の開発を行った。新規に開発したW/Oエマルションを経てカプセルを作製する方法では、カプセルの径を従来の1/5にすることが可能となり、これによって、大幅にカプセルの物質交換性能を向上できることが明らかになった。また、このような径の微小化は、カプセルの力学的安定性も大きく向上させることが明らかになり、よりガン治療にとって有望な細胞包括カプセルを作製することができるようになった。 (b)上記で開発した手法に基づいて作製したカプセルに、前年度までにシリカカプセルについて行った検討結果で得られた知見を加えて、ガン治療に有効な成分を産生する細胞を包括した。生体外での検討では、この細胞は1ヶ月以上カプセル内で生存可能であり、抗ガン活性も維持していることが明らかとなった。これを受けて、担ガンヌードマウスに細胞包括カプセルを埋込み、腫瘍の形状観察を行った結果、腫瘍の退縮が確認され、2年間かけて本研究課題のもと行ってきた検討の結果、ガン治療に有望な細胞包括カプセルの開発に成功することができた。
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