研究課題/領域番号 |
15760619
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山内 有二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312388)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 水素リテンション / ヘリウムリテンション / 表面不純物 / プラズマ対向材料 |
研究概要 |
核融合装置の大型化に伴い、燃料であるプラズマと装置の内壁との相互作用、即ちプラズマ壁相互作用の解明と制御が非常に重要となってきている。特に、燃料である水素同位体や核融合反応の結果生成されるヘリウムの保持(リテンション)や脱離挙動の把握は、プラズマ中の粒子制御や安全性の観点から非常に重要な研究テーマの一つである。放電時間の長期化や装置の大型化により、プラズマ対向壁には様々な組成をもつ堆積層(不純物層)が堆積してくる。その結果、従来調べられてきている候補材料の重水素・ヘリウムリテンション挙動が大きく変化する可能性がある。本研究では、プラズマ対向壁や核融合構成材料の候補となっている低放射化フェライト鋼、バナジウム合金等に対して表面不純物層を堆積させ、堆積による重水素・ヘリウムリテンション特性の変化を調べることを目的とした。 今年度は大気中で長期間放置及び熱酸化したフェライト鋼の重水素リテンション特性を調べた。大気中に長期間放置したフェライト鋼には7nm程度の酸化層が見られた。この酸化層の厚さは機械研磨によって2nm程度となった。これらに重水素イオンを照射した結果、大気中に長期間放置したフェライト鋼では、低温で大きな脱離ピークが見られ、機械研磨を施したフェライト鋼の重水素リテンション特性と大きく異なった。機械研磨後のフェライト鋼を真空中で脱ガスした場合、低温の脱離が増加した。脱ガスにより表面に酸化層が形成されたためと見なせる。一方、熱酸化したフェライト鋼の重水素リテンション量は、機械研磨したものに比べて大きくなり、昇温脱離分析時に低温で脱離する重水素量が増加した。この傾向は特に低照射量領域で顕著であった。同じ壁候補材料のバナジウム合金でも表面不純物層に重水素トラップサイトが多く含まれることがわかっており、フェライト鋼の表面不純物層も同様にトラップサイトを多く含んでいると考えられる。
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