研究課題
若手研究(B)
対向型半導体PETの画像再構成法の妥当性を調べるために、移動機構を備えたγ線計測システムを構築し、放射能分布の測定を行った。γ線計測システムは回転機構を備えた対向型ガントリー、信号処理系、さらにデータ収集・ガントリー制御系から構成される。対向型ガントリーでは1chの検出器幅が12mmの32ch CdTe検出器アレーを検出器ユニットとしており、この検出器ユニット2つが対向配置されてガントリーを形作っている。また、検出器ユニットは2軸の移動ステージの上に対向配置されているため、ガントリー径方向および投影方向に自由に移動可能である。信号処理系はNIMモジュール群から形成されていて、ガントリーからのγ線の検出信号の増幅・整形を行った後、リニアパルスを時間情報を表すタイミングパルスに変換する。変換されたタイミングパルスはCAMACクレートとPCから成るデータ収集・ガントリー制御系によって時間計測され、そのデータがPCに保存される。また、データ収集・ガントリー制御系はモータコントローラを含んでおり、データ収集と同期してガントリー駆動も行う。このγ線計測システムを用いて、直径、0.6mmのNa-22点線源の放射能分布を測定した。ガントリー径5cmのとき、ガントリー中心付近に関して、点線源の画像は明確に再現され、そのプロファイルの半値幅は1.0mm以下であった。また、この点線源を測定中に1.5mm刻みで3×3の格子の交点上に位置移動させたところ、その再構成画像では9つのホットスポットが明確に分離されていた。このことから、対向型再構成法が十分妥当であることが確認された。
すべて 2005
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CAARI 2004 18th International Conference on the Application of Accelerators in Research and Industry In press