研究課題/領域番号 |
15760641
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20281983)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ウラン・レドックスフロー電池 / 高エネルギー効率 / 高速の電極反応 / テトラケトン配位 / ウラン錯体 / テトラケトン配位子 |
研究概要 |
劣化ウランは全世界で120万トンを超える膨大な保管量があり、その有効利用法の開発は重要な課題である。ウランはIII価とIV価、V価とVI価の組み合わせにおいて電極反応が可逆であることは、アクチナイド固有の化学的性質である。このことを利用すれば、実用化しているバナジウム電池を超えるエネルギー効率を持つレドックスフロー電池の構築が期待できる。バナジウム電池では、正極反応VO2++e→VO2+は酸素の脱着を伴う遅い内圏反応であるため、電流密度70mA/cm2での充放電サイクルにおいてエネルギーの16%が活性化過電圧により失われる。これに対してアクチナイドでは両極反応は高速であり、活性化過電圧によるエネルギー損失はネプツニウムの場合2%にとどまる。 このようにエネルギー効率の高いウラン電池の構築により、風力発電等の再生可能エネルギーの出力平滑化に資することを目指している。 平成16年度には、ウラン電池セルを実際に構築し、U(V)を正極液、U(IV)を負極液とするウラン電池の動作を確認し、展示用モーターの回転に十分な電圧・電流を得られることが確認できた。その一方で、放電状態におけるウラン(V)錯体、充電状態におけるウラン(III)錯体の濃度は数時間程度の半減期で自然に減少し、ウラン錯体の安定性が十分とは言えないことも明らかとなった。 そこで、平成17年度には、ウラン(V)およびウラン(III)錯体の検討を進め、半年を超す半減期をもつウラン(V)錯体溶液を調製することに成功した。また、ジアミドを配位子として有するウラン(III)錯体の調製と磁気的性質、分光的性質の検討に成功し、溶液中のIII価状態の半減期が11時間と短いことが判明した。しかしこの時間内に、U(IV)/U(III)の電極反応の検討を行うことに成功した。
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