研究課題/領域番号 |
15770007
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
富樫 辰也 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 助手 (70345007)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 海産緑藻 / 異型配偶 / 進化生態 / 性淘汰 / 走光性 / 性フェロモン / 生息環境 / 潮間帯 |
研究概要 |
性に関する諸問題の中でも最も基本的な問題の一つである雌雄の配偶子の異型性の進化に関する研究には長い歴史がある。しかし、これまで行われてきた多くの優れた研究は主に理論的な方法でこの問題に取り組むものであった。本研究は、これらの理論的研究を背景にしながら、実際の生物(海産緑藻)に密着して異型配偶の進化のメカニズムを研究したもので、これまでにない新しい発見と深い考察が得られた。潮間帯上部に生育する多くの海産緑藻の配偶子は、雌雄同型もしくはわずかな異型で、雌雄共に2本の鞭毛と眼点と呼ばれる光受容器官を持っており、放出されると直ちに正の走光性を示して海面に向かって遊泳を始める。私は、「配偶子が示す正の走光性は、雌雄の配偶子が遭遇する場所を3次元空間から海面直下の2次元平面に限定することによって接合の効率を高めるための行動なのではないか?」という仮説を立て、ヒトエグサを用いた接合実験を行ってこれを裏付ける証拠を得た。さらに、これらの種の雌雄の配偶子の放出は、走光性を効率的に利用することのできる昼間の干潮時に雌雄で同調的に起こるように、化学伝達物質を介した特異的な機構によって制御されていることを明らかにした。また、イワヅタ目のハネモの雄性配偶子は、小型で高速で泳ぎ回りながら雌性配偶子を探索するものの、走光性を示すことができないことから、「正の走光性を示す雌性配偶子と、走光性を示さない雄性配偶子が効率的に遭遇できるのだろうか?」という疑問を持って詳細な実験を行った結果、海産緑藻で初めて雌性配偶子からは雄性配偶子を誘引する性フェロモンが放出されていることを発見した。これらの結果とDNA塩基配列に基づく系統解析の結果を合わせて進化機構のさらなる解析を行っている。
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