• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

セイヨウミツバチの移入と在来訪花昆虫の衰退が小笠原の植物の繁殖に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 15770018
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態・環境
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

安部 哲人  独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 主任研究官 (00353558)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード小笠原諸島 / 移入種 / 結果率 / セイヨウミツバチ / 送粉系撹乱 / グリーンアノール / 花外蜜腺 / ナガバキブシ / 小笠原 / 海洋島 / 訪花頻度 / ポリネーター / 生物学的侵入 / 送粉系
研究概要

平成17年度は2回渡航して,訪花頻度データを補充するとともに人工授粉試験と結実率調査を行った。その結果,父島・母島では花粉制限と判定された種は帰化植物で少なく,広域分布種・固有種で多かった。このことは前年度報告した訪花頻度の偏りが結実に影響していることを示唆するものである。また,在来の訪花昆虫相が衰退した要因について島間の分布及び移入の経緯からグリーンアノールによる捕食の可能性が浮上した。この可能性を検証すべく飼育ケージによる捕食試験を行った結果,在来の訪花昆虫は旺盛に捕食するのに対して,毒針をもつセイヨウミツバチは全く捕食されなかった。このことは父島・母島にセイヨウミツバチとオガサワラクマバチだけが生き残っていることと符号する結果であった。このことから,小笠原の送粉系保全にはセイヨウミツバチの駆除よりもグリーンアノールの駆除を優先して行う必要があると考えられた。また,セイヨウミツバチは花外蜜腺に訪花する様子も観察された。このことは食害防止のための植物-アリ間の相利共生系に影響を与える可能性がある。この花外蜜腺を観察する過程で固有種テリハハマボウにおいて花外蜜腺が退化している現象が新たに発見され,海洋島特有の選択圧による現象であると考えられた。
個体数が非常に少ない絶滅危惧種に関して,ナガバキブシやセキモンノキにはセイヨウミツバチの訪花が全くなかった。また,ナガバキブシに関しては雌個体が少ないこともあって結実がほとんどないことが明らかになった。さらに,自生地では移入種ノヤギによる幼個体の食害と移入種クマネズミによる種子食害によって更新が絶望的であることが明らかになった。このことから本種に関しては更に詳細な現況調査と平行して,これらの移入種の排除,及び人工受粉等により結実した種子を育苗するなどの対策を早急に施す必要があると考えられた。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Colonization of Nishino-shima Island by plants and arthropods 31years after eruption.2006

    • 著者名/発表者名
      T.Abe
    • 雑誌名

      Pacific Science 60

      ページ: 355-365

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Loss of extrafloral nectary on an oceanic island plant and its consequences for herbivory.2006

    • 著者名/発表者名
      S.Sugiura, T.Abe, S.Makino
    • 雑誌名

      American Journal of Botany 93

      ページ: 491-495

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 小笠原諸島の植物の開花期に関する観察資料2004

    • 著者名/発表者名
      安部 哲人
    • 雑誌名

      森林総合研究所研究報告 3巻3号

      ページ: 249-257

    • NAID

      40006504540

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

URL: 

公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi