研究課題/領域番号 |
15770059
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三島 美佐子 九州大学, 総合研究博物館, 助手 (30346770)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 倍数化 / 虫えい形成 / 多様性 / 種分化 / エンドリデュープリケーション / 樹脂包埋切片 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
本研究の最終的な目的は、植物における倍数化が、虫えいの形成や、その形状多様性に、どのように関与しているのかを明らかにすることであった。 平成16年度は、ブナ・タブ・ホソバタブ・シキミ・シロダモの若芽をのべ約1000芽についてコルヒチン処理を行い、人工的な倍数化を試みた。しかしながら、ほとんどの処理で倍数化が成功せず、また一部は台風の影響で調査地に行けなくなったために回収不能になるなどのトラブルで、人工的な倍数化は成功しなかった。しかし、野生シロダモで3倍体を発見し、その個体に形成されている虫えいと、他の2倍体に形成されている虫えいを比較することにより、植物における倍数化が虫えい形状に与える影響を明らかにすることとした。 九州の5カ所で採集した2倍体シロダモに形成されていた虫えいと、1カ所の3倍体シロダモに形成されていた虫えいについて、それぞれ20個づつの断面積をNIHイメージで計測した。その結果、3倍体シロダモに形成されていた虫えいは、2倍体シロダモに形成されていたものよりも、有意に大きいという結果が得られた。従って、植物の倍数化が、虫えい形状(今回はサイズ)に影響を及ぼす(大型化)ということが、明らかになった。 これまで虫えい形状にホスト植物の倍数性が影響を及ぼすことは知られていなかった。植物において倍数化はごく一般的な現象であることから、虫えい形成昆虫や虫えい形状の進化に大きく関与していると予想される。本研究の結果は、虫えいの進化を考える上で、画期的な発見であると考えている。 なお平成16年度の研究成果については、日本植物学会(2004年9月、藤沢市)日本植物分類学会(2005年3月、高知市)で報告した。
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