研究課題/領域番号 |
15770118
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中村 彰男 群馬大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30282388)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ミオシン / モーター蛋白質 / カルシウム / キナーゼ / 植物 / バキュロウイルス / 昆虫細胞 / 細胞運動 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
水生植物の車軸藻(Chara corallina)の節間細胞では60μm/secという非常に速い原形質流動が報告されている。骨格筋の最大収縮時において、アクチン繊維とミオシン繊維の滑り速度が6μm/secであることから考えると、車軸藻ミオシンの原形質流動は筋収縮速度のほぼ10倍の運動活性を持つことになる。この速度は現在知られているモーター蛋白質の中で最速と考えられている。更にこの車軸藻ミオシンにはもう一つのユニークな性質がある。それはカルシウムにより、その運動活性が失われるという報告である。つまり、カルシウムはこの最速ミオシンのブレーキとして働いている可能性が高い。では如何にして非常に速い速度を発生しているのか?という疑問に対する解答は得られていない。その問いに答えるためには、幾つかのドメインに変異を導入したリコンビナント蛋白質を作成し、その酵素活性と運動活性を比較検討することが重要であると考えられる。同様の試みは他の幾つかの研究機関でも行われているが、残念なことに、未だリコンビナント蛋白質を得ることに成功していない。私は幾つかのミオシンにおいて、リコンビナント蛋白質の作成に成功した実績のあるバキュロウイルスを用いた昆虫細胞の発現系を用いて、最新の遺伝子組み換え技術によりリコンビナント車軸藻ミオシンXIの発現を試みた。その結果、車軸藻ミオシンXIの全長、HMMと呼ばれる2つの頭部を持つ変異体およびモータードメインのみのそれぞれのリコンビナント蛋白質の作成に成功した。さらに、ミオシンIIの頭部や尾部と入れ替えたキメラ体の作成にも成功した。しかし、カルシウム依存的にミオシンXIをリン酸化するキナーゼをクローニングすることは出来なかった。このことは既に報告されているカルシウム依存性プロテインキナーゼと車軸藻のものとの間でのホモロジーが低い可能性を示唆している。
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