研究課題/領域番号 |
15770127
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
名田 茂之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50291448)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | Cortactin / Src / 接着斑 / アクチン / Csk / ポドソーム |
研究概要 |
CortactinはSrcファミリーチロシンキナーゼの基質となるアクチン骨格結合蛋白であり、アクチン重合の起点としてラメリポディアの先端部やフィロポディア基部に局在化してアクチン重合を調節していると考えられる。Cskノックアウト細胞ではSrcの過剰な活性化によりCortactinの顕著なチロシンリン酸化の亢進と接着斑近傍でのドット状の局在化(ポドソーム)によりアクチン骨格が異常となることがこれまでに観察されている。本年度の研究では、RNAiによるCortactinのノックダウン、Srcの活性阻害剤によるCortactinのリン酸化とアクチン骨格の変化について検討した。まずCortactinのノックダウンにより、ラメリポディアの形成が阻害される傾向が観察された。さらにCskノックアウト細胞では、ポドソームが消失し、アクチンストレスファイバーの構造が正常化することが観察された。Src阻害剤PP2で処理した場合、Cskノックアウト細胞でCortactinのチロシンリン酸化が低下するとともにアクチンストレスファイバーの形成も正常化した。これらのことからポドソーム形成にはSrcの活性化とCortactinの存在そのものが必須であることが判明した。またタイムラプス観察の結果、正常細胞でも一時的に小さなポドソーム様の構造が形成されることがわかった。この正常細胞でのポドソーム様構造は接着斑に隣接した部位で起こっており、Cskノックアウト細胞ではこの構造が肥大化してポドソームとなることが推測された。これらの反応が培養細胞だけでなく生体内でも起こり得ることを示すために、皮膚上皮でCskの欠失が起こるコンディショナルノックアウトマウスを作製して解析したところ、マウス生体においても細胞内にポドソーム様のアクチンとCortactinの凝集塊が形成されることが判明した。
|