研究課題/領域番号 |
15770130
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
福原 茂朋 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室員 (70332880)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 細胞間接着因子 / VE-cadherin / 血管新生 / Ferチロキシンキナーゼ / angiopoietin-1 / Ferチロシンキナーゼ |
研究概要 |
血管内皮細胞に特異的に発現する接着因子VE-cadherin(Vascular Endothelial-Cadherin)およびPECAM-1は、細胞間接着を制御することにより血管形成さらには血管機能の維持に重要な役割を果たしている。最近の研究からこれら分子は単に細胞接着を制御するだけでなくシグナル伝達分子としても機能すること、さらにはこれら分子の接着活性は細胞内外のシグナルによって厳密に制御されていることが分かってきた。しかしそのメカニズムについては不明であった。本年度は主にVE-cadherinの接着活性を制御する細胞内シグナル伝達機構について解析を行い、低分子量GTP結合蛋白質Rap1の役割を明らかにしてきた。以下にその結果を示す。 (1)adrenomedullinやprostacyclin(PGI2)は細胞内のサイクリックAMP(cAMP)を産生することにより血管のバリヤー機能を亢進することが知られている。そこで、そのメカニズムについて解析を行った結果、cAMPはRap1特異的グアニンヌクレオチド交換因子Epacを介してRap1を活性化することが分かった。また、このRap1の活性化がVE-cadherinの接着活性を増強することにより血管内皮の細胞間接着を強め、その結果として血管のバリヤー機能が亢進することを明らかにした。(Fukuhara et al.,MCB 2005) (2)Angiopoietin-1(Ang1)は血管発生に必須な血管新生因子である。また、Ang1はin vivoで炎症反応、vascular endothelial growth factorなどによるplasma leakageを抑制することが知られている。そこで、この分子メカニズムについて解析を行った結果、Ang1はcAMPと同様に血管内皮細胞においてRap1を活性化しVE-cadherin依存的な細胞間接着を増強、それによって血管透過性を抑制していることが分かった。また、その分子メカニズムとしてアダプター分子であるCrkがAng1受容体であるTie2の下流で活性化されRap1の活性化を制御していることを明らかにした。また、Ang1はErkやAktを介して細胞の生存にも寄与しているが、この経路にはCrkは関与していないことが分かった。(投稿準備中)
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