研究課題/領域番号 |
15780041
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
研究代表者 |
櫻井 民人 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 東北農業研究センター地域基盤研究部, 主任研究官 (70355288)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 虫媒性植物ウイルス / ベクター昆虫 / トマト黄化えそウイルス / アザミウマ / 繁殖特性 / 感染植物選好性 / 媒介能力 / 遺伝 / ミカンキイロアザミウマ / ウイルス媒介 / 感染株選好性 / 遺伝的背景 / ネギアザミウマ / 生存期間 / 侵入害虫 / ダチュラ / ウイルス感染株 / 産卵選好性 / 時系列データ |
研究概要 |
トマト黄化えそウイルス(TSWV)は侵入害虫ミカンキイロアザミウマなどのアザミウマ類によって媒介される植物ウイルスであり、多くの野菜や花き類の生産に甚大なダメージを与えることが知られている。このような虫媒性植物ウイルスの感染による病害の進展は、ベクター昆虫による媒介効率と深い関係があることが予想される。そこで、本課題ではTSWVの媒介に関わるミカンキイロアザミウマの繁殖特性について調べ、TSWV病まん延を阻止するための効果的な防除技術を構築する上で重要な下記の知見を得た。 1.TSWV感染植物への選好性:ミカンキイロアザミウマ雌成虫はTSWV感染植物を好んで産卵し、孵化幼虫も感染葉を好む傾向があった。その結果、次世代羽化成虫の保毒媒介虫率は任意産卵に比べてはるかに高い割合となることが明らかになった。さらに、ナス科やマメ科などの宿主植物で同様の傾向が確認されたことから、本アザミウマ種によるTSWV感染植物への選好性は一般性のあるものと考えられた。 2.TSWV媒介能力の遺伝:ミカンキイロアザミウマの一つの個体群から媒介系統(TSWV獲得後約90%が媒介虫となり得る)と非媒介系統(媒介虫となるのは5%未満)を選抜試験によって分離することができた。これにより、本種のTSWV媒介能力が遺伝することが明らかとなった。遺伝様式については現在調査中である。 3.TSWV保毒及び媒介能力と繁殖特性との関係:ミカンキイロアザミウマにとって、TSWVの保毒や媒介能力の有無は生存期間や産卵数、性比、交尾性向等の繁殖特性に影響しないことが示唆された。一方、本種より媒介効率が低いベクターであるネギアザミウマでは、TSWV保毒虫の生存期間は短くなる傾向があった。
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