研究課題/領域番号 |
15780098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
荒牧 賢治 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (80313469)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 乳化剤 / エマルションゲル / トリグリセリド / ひも状ミセル / レオロジー / モノグリセリド / 相図 / 自己組織体 / 可溶化 / キュービック相 / 小角X線散乱 |
研究概要 |
ポリ(オキシエチレン)コレステリルエーテル(ChEO_<15>)水溶液中では球状あるいは短い棒状ミセルが形成されている。ここに親油性の補助界面活性剤としてグリセロールモノラウリン酸エステル(GML)を少量添加することにより棒状、ひも状へと変化し、溶液が急激に増粘する。0.06M ChEO_<15>水溶液にGMLを添加したとき、ChEO_<15>/GMLのモル比が47/53〜42/58のときに溶液のゼロ剪断粘性率が最も高くなることが分かった。これら高粘性溶液に対して動的粘弾性測定を行なったところ、角周波数が小さいときに固体的、大きいときに液体的な挙動を示す粘弾性体であることが分かった。ここにオリーブ油を添加することにより、O/W型エマルションが得られる。しかも、そのエマルションの連続相は粘弾性体であるため、通常のエマルションよりも弾性の強いゲル状エマルションを得ることができた。この10%のオリーブ油を含有するエマルションゲルのゼロ剪断粘性率は100Pa.s程度であり、水溶液のゼロ剪断粘性率とほぼ同じであった。また、動的粘弾性測定を行なったところ、水溶液と同様に粘弾性体としての挙動を示した。油性成分に大豆油、流動パラフィン、n-デカンも用いたが、エマルション化できたのは大豆油とスクアランのみであった。一般に油がミセルに可溶化されるとミセルは球状ミセルを形成しやすくなるが、特に油の可溶化によりひも状ミセルの長さは急激に縮む。デカンはこれらの油の中で最も分子量が小さく、ミセルコアに最も可溶化されると考えられ、この効果により連続相となる水溶液の粘性率が急激に低下し、エマルションが崩壊すると考えられる。
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