研究課題/領域番号 |
15780100
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
前田 智子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (00346298)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | サワードウ / 小麦粉 / 製パン / 製麺 / アミラーゼ / 醗酵 / クッキー / テクスチャー / 分級小麦粉 / ハイアミロース / ワキシー / 製パン性 / 製麺性 / ドウ / 澱粉 / 酵素 |
研究概要 |
近年わが国の食生活の欧風化と共に、小麦粉の用途は、製菓類を含む製パンと製麺への加工が大半を占めるようになり、従来の米飯一辺倒から食生活は急激に変化してきている。即ち、パンを始めうどん、ラーメン、パスタ等の小麦粉製品の消費が着実に増加してきている。また、現在の飽食時代においては、食べ物に対する欲求が以前とは大きく異なりつつあり、極上の美味への執着は勿論であるが、更に痩身、美容、医療効果等々の医食同源のように、より付加価値のある食べ物の追求であったりする。従って、食べ物は今や我々の生命を支える役割を果たすだけではなく、我々の精神的・肉体的欲求を満たすために複雑・多様な役割が求められている状況である。更に最近は食の健康志向、安全志向に目が向けられてきたが、これは不認可食品添加物の使用あるいは農薬の過剰使用などによるところが大である。この為により安全な国内産の農産物を見直そうという気運が高く、自給率9%の小麦を麺類のみならず製パンへ積極的に利用して、特に先進国中では最低の食糧自給率40%を大幅に改善する良い機会である。更に、食品材料の無駄をなくし、且つ安全で美味しさをもたらす効率的な加工・調理方法の確立が求められている。そこで本研究では、国産小麦粉の製パンおよび製麺への実際的な応用、改良を目的としそれらの製粉特性を検討した。分級粉を通常に製粉された農林61号(N61)に一部代替しかつアミラーゼと併用すると、製パン性はN61よりも明らかに改善された。特に保存中のパンクラムの品質についてはN61単独よりも顕著に老化抑制効果が認められ、硬質小麦様のテクスチャーをもたらした。また、クッキーへの利用についてはクッキーペーストの焼成中の安定性を高め、焼成後のクッキーの保形性を改善した。更に、硬質分級小麦粉についても製パン性を検討した結果、特にその高い醗酵特性によりサワードウへの利用が有効であった。即ち分級粉で調製したサワードウの醗酵および熟成特性は通常小麦粉で調製されたものよりも有意に優れていた。以上の結果より、添加剤と調整方法の工夫により国産小麦の有効利用の司能性が考えられ、従来、乏しい最終製品の品質として懸念されてきた国産小麦の新しいテクスチャーの発見とその多様な加工食品への実際利用も期待された。
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