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マツタケ人工シロ形成手法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15780111
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 林学・森林工学
研究機関東京大学

研究代表者

松下 範久  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00282567)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードマツタケ / アカマツ / 外生菌根 / 共生 / 人工シロ
研究概要

本研究では,マツタケの外生菌根形成からシロの形成に至るまでに必要な生物的・非生物的環境条件を明らかにすることを目的とする。同時に,シロの形成・発達過程におけるアカマツ-マツタケ共生系の生理的な変化の解明を目指す。今年度は,以下の成果が得られた。
ポリカーボネート製の容器に滅菌した培養土を入れ,マツタケの培養菌糸を接種した後に,無菌的に発芽させたアカマツ実生を移植した。その結果,接種5ヶ月後には壁面の外側からマツタケ外生菌根の形成が確認された。その後,外生菌根の増加や菌根周辺の菌糸の伸長が認められ,野外で観察されるシロと同様の形態をした人工シロを形成した。以上のことから,本法は,半自然および野外へ導入する大型のマツタケ外生菌根形成苗および人工シロを作出するための有効な手法になりうるものと考えられた。接種20ヶ月後には,アカマツの樹高は30cmに達し,シロも維持されていた。一方,マツタケ未接種のアカマツの樹高は10cm程度であり,また,枯死する個体も多かった。したがって,マツタケの外生菌根形成およびシロの形成は,アカマツの成長を促進するものと推測された。
アカマツ成木から誘導された細根へマツタケ菌を接種した結果,接種5週間後からマツタケ外生菌根の形成が確認され,菌根周辺にはマツタケ菌糸の伸長も認められた。しかし,接種1年後にはシロの形成は認められず,また,多数の外生菌根形成が認められたものの,マツタケ外生菌根を確認することもできなかった。したがって,本法は,野外のアカマツ成木へのマツタケ菌の有効な接種法になりうるものの,人工栽培法を確立するためには,さらに野外における人工シロの誘導条件を明らかにする必要があるものと考えられた。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 文献書誌 (3件)

  • [雑誌論文] Identification of Armillaria species in Japan using PCR-RFLP analysis of rDNA intergenic spacer region and comparisons of Armillaria species in the world2005

    • 著者名/発表者名
      Matsushita, N.
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research 10(印刷中)

    • NAID

      10016447298

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Genetic relationship of Tricholoma matsutake and T.nauseosum from the northern hemisphere based on analyses of ribosomal DNA spacer regions2005

    • 著者名/発表者名
      Matsushita, N.
    • 雑誌名

      Mycoscience 46(印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] マツタケ外生菌根の人工合成2005

    • 著者名/発表者名
      松下範久
    • 雑誌名

      日本森林学会学術講演集 116(印刷中)

    • NAID

      130004614521

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] アカマツ-マツタケ共生系に及ぼす光環境の影響2005

    • 著者名/発表者名
      大崎 学
    • 雑誌名

      日本森林学会学術講演集 116(印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] マツタケの難溶性リン酸化合物の利用2005

    • 著者名/発表者名
      進藤克実
    • 雑誌名

      日本森林学会学術講演集 116(印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] The mycorrhizal fungus Tricholoma matsutake stimulates Pinus densiflora seedling growth in vitro2004

    • 著者名/発表者名
      Guerin-Laguette, A.
    • 雑誌名

      Mycorrhiza 14

      ページ: 397-400

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 松下範久: "中国雲南省に生育するマツタケのrDNA領域の多様性"日本林学会大会学術講演集. 115(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 大崎 学: "マツタケ外生菌根形成に及ぼす土壌水分の影響"日本林学会大会学術講演集. 115(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 進藤克実: "自然条件下におけるアカマツ-マツタケ共生系の構築"日本林学会大会学術講演集. 115(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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