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高温炭化により木材細胞内腔に成長する円錐形炭素物質の生成機構の解明と機能材料化

研究課題

研究課題/領域番号 15780123
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 林産科学・木質工学
研究機関東京大学

研究代表者

斎藤 幸恵  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30301120)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワード木炭 / 乱層構造炭素 / 円錐構造 / 黒鉛ウイスカー / 電子回折
研究概要

木質建築廃材などの処理および機能性の付与の手段として、炭化は有効である。木炭を原料とした気相炭素化では、固相炭素化で得られない規則構造を持つ炭素物質が生成する。木材を2000℃以上で加熱すると、木材細胞壁から熱分解ガスが発生して細胞内腔に溜められる。このガスを炭素源として、径数μm、長さ数十μmの炭素物質が気相成長する。これまでに透過電子顕微鏡(TEM)観察および電子回折から、この気相成長物質は炭素六角網平面が頂角135°の連続した円錐状に堆積した、配向規則性の高い乱層構造炭素であることを明らかにしてきた。円錐構造を持つ炭素六角網平面が黒鉛的に堆積成長した物質であるので、この炭素物質を円錐黒鉛ウイスカーと呼ぶこととした。本年度はウイスカーの特性、とくに光学的および磁気的特性および表面構造について明らかにした。
磁場下で円錐黒鉛ウイスカーは一方向に配向することが解った。配向の方向はウイスカーの長さ方向が磁場に対して垂直であった。このことは円錐黒鉛ウイスカーの軸に平行な磁化率(χ_<ll>)と垂直な磁化率(χ_⊥)では、χ_⊥>χ_<ll>であることを示す。この配向の仕方は、c軸が長さ方向に対して垂直なカーボンナノチューブや黒鉛ウイスカーの場合に長さ方向が磁場に平行に配向するのと、対照的である。
直交ニコル下での光学顕微鏡観察では、光学異方性が明らかになった。鋭敏色鍵盤による干渉色の観察はウイスカーの長さ方向に対して垂直な方向の炭素の層面の配列を示していた。
円錐黒鉛ウイスカーの側表面の高分解能TEM観察像では、近接した炭素六角網平面のエッジ同士が結合した構造が見られた。偏光顕微鏡観察の結果を考慮すると、エッジ同士が結合して閉じた末端構造はウイスカーの円周方向に連なっていることが明らかになった。
これらの特性は、電極材料や吸着材料等への応用の可能性を示唆すると思われる。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 その他

すべて 産業財産権 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [産業財産権] 円錐黒鉛ウイスカーの製造方法と円錐黒鉛ウイスカーの側表面のナノ末端表面構造2004

    • 発明者名
      斎藤 幸恵, 有馬 孝禮
    • 権利者名
      東京大学
    • 出願年月日
      2004-03-08
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Yukie Saito, Takanori Arima: "Cone structure of hexagonal carbon sheets stacked in wood cell lumen"J.Wood Sci.. 50. 87-92 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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