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マングローブ・キリフィッシュの生物機能解明:海産有用魚モデル生物としての応用

研究課題

研究課題/領域番号 15780135
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関長崎大学

研究代表者

阪倉 良孝  長崎大学, 水産学部, 助教授 (20325682)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード実験動物 / 行動 / クローン / 酵素活性 / 遺伝 / 成長 / 育種 / 魚類 / 遺伝子
研究概要

脊椎動物で唯一自家受精を行うマングローブ・キリフィッシュ(Rivulus marmoratus)を材料とし、これまで知見の乏しい本種の初期生活史を明らかにするとともに、由来の異なるクローン株間での生活史戦略の比較および本種の増養殖研究の実験動物としての有用性の考察を研究目的とした。その結果、形態・組織・生理・行動の各種形質の解析により、本種の初期生活史は4相に分けられた(文献1)。由来の異なる2つのクローン株を同一環境で飼育し、先に得られた初期生活史パラメータと、繁殖パラメータを比較した。その結果、これらの株間で、初期成長と繁殖戦略(産卵数、性比)に有意な差が見られ、2株間には成長・繁殖形質に関わる遺伝的変異の存在することが明らかになった(文献2)。2クローン株間の生活史特性値の変異を決定する機構を調べるために、2株の初期成長の差に着目し、消化酵素活性および画像解析により摂餌行動と遊泳活動度を比較した。その結果、高成長クローンと低成長クローンの消化酵素活性は同等であるのに対し、高成長クローンは摂餌速度と遊泳活動度が低いことが明らかになった。このことから、2株間で摂餌効率が異なることにより、初期成長の差が生じることを示した。さらに、本種の初期生態と栄養要求を理解するために、異なる餌料プランクトンを与える飼育実験を実施し、餌料によって初期成長、魚体の脂肪酸組成、遊泳活動度に差が生じることを見いだした。また,本種の性ステロイドの動態を世界で初めて明らかにすることが出来た(文献3)。また,クローン株特異的な遺伝子マーカーを一部得ている。本研究の意義は、これまでガン研究や環境毒性評価などの実験動物として用いられていながら、手つかずであったマングローブ・キリフィッシュの初期生活史を、様々なアプローチによって詳細に明らかにしたことにある。さらに、成長や繁殖に関わる遺伝的要因と環境要因の相互作用機構に迫り、水産増養殖研究における飼育技法や遺伝・育種に対して様々な応用形態の可能性を示した。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] Differences in life-history traits in two clonal strains of the self-fertilizing fish, Rivulus marmoratus2005

    • 著者名/発表者名
      Grageda, MVC., Sakakura, Y., Minamimoto, M., Hagiwara, A.
    • 雑誌名

      Environmental Biology of Fishes (印刷中)

    • NAID

      120006987008

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Plasma sex steroid levels and steroidogenesis in the gonad of the self-fertilizing fish Rivulus marmoratus2005

    • 著者名/発表者名
      M.Minamimoto, Y.Sakakura, K.Soyano, A.Hagiwara
    • 雑誌名

      Environmental Biology of Fishes (条件付き受理)

    • NAID

      120006987009

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Early development of the self-fertilizing mangrove killifish Rivulus marmoratus reared in the laboratory2004

    • 著者名/発表者名
      Grageda MVC., Y Sakakura, A.Hagiwara
    • 雑誌名

      Ichthyological Research 51

      ページ: 309-315

    • NAID

      10014106766

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Grageda MVC., Y Sakakura, A.Hagiwara: "Early development of the self-fertilizing mangrove killifish, Rivulus marmoratus reared in the laboratory"Ichthyological Research. (受理).

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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