研究課題/領域番号 |
15780150
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
豊 智行 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (40335998)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ベトナム食肉産業 / リスクマネジメント / モニタリング / シグナリング / インセンティブ / ドイツ畜産副産物市場 / 畜産副産物規則 / レンダリング工場 / バイオガス工場 / 衛生管理・品質保証制度 / HACCP / トレーサビリティシステム / 豪州牛肉産業 |
研究概要 |
本年度は、途上国における食肉安全制度の事例分析のため、国内食肉需要が増大し、海外への輸出拡大の意向も大きいベトナムを分析対象国とし、Department of Animal Health(以下DHA)、畜産農家及びと畜場での調査を実施した。本研究は家畜の健康と食肉の安全を担保するリスクマネジメントシステムを構築するための不可欠な機能としてモニタリング(検査・監査)、シグナリング(表示)、インセンティブに着目したが、ベトナムにおけるそれらの有無と特徴を解明した。 主要な解明点は以下の通りである。 1. DAH (Department of Animal Health)による家畜のモニタリングとしては、農場段階検査、と畜前検査、枝肉検査がある。また、鳥インフルエンザの発生後、家畜疾病の伝染を防止する目的から、全国48か所に検査ステーションを設け、体制を強化している。検査料金の負担は検査される側にある。 2.家畜の健康・食肉の安全を伝達するシグナリングとしては、枝肉への検査済みスタンプがある。生体への表示はないが、と畜前に異常が認められると隔離される。 3.健康な家畜を飼養、安全な食肉を生産するための制度的なインセンティブ(本研究で解明してきた豪州等でみられるようなマネジメントの成果に応じた検査費用の削減)設計や良好なマネジメントによる有意な高価格化はみられない。 4.ベトナムの食肉産業の中でも養豚・豚肉部門は生肉の輸出志向が強い。これまで香港やロシアへの輸出があるものの、動物検疫の問題により日本への輸出はできない。熱処理された加工肉の輸出は可能であるが積極的でない。DAHは豚肉(生肉)の輸入解禁を日本政府に文書で要求したことがあるが、回答は得られなかったという。現在は、動物検疫による輸出障壁を乗り越えるために、全国150地域にDesease Free Zoneを設け、輸出条件を満たそうとしている。
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