研究概要 |
一昨年度導入した解析システム本体と昨年度導入した負荷軽減のためのポリプロセス・ポストプロセッサシステムを構築し接続したことでシステム全体が強化されたこと,ならびに昨年度ポストプロセス強化に図化したものの検討をしやすくするためのカラープリンタが接続されたことを受けて,本年度は最終年度として一元管理された条件下での地下水流動の高精度復元解析を実施するとともに,その結果の図化処理の効率を上げるべく,まだ不十分な3次元可視化箇所の機能強化のために追加のソフトウェア開発を検討し,本システムを完成させることを第一の目的とした.また,これまで収集した実際のデータを利用して,実領域への適用性を検討してみた.その際に,観測データがあまり多く存在しないことが多く,再現するためのモデル構造同定には昨年度のようにパラメータ分布を1モデルとして考える方策か実際の観測データに準じるものを推定して生成する方策を行う必要が生じる.本年度は後者を考え,そこに高精度復元能力のある,地下水・地盤統計ハイブリッドモデルから得た計算値を擬似的な観測データとして同定時に用いる手法を提案した.地下ダムサイトとなりうる地形を有する仮想帯水層に対して数値実験を行ったところ,安定的に一意の同定解が得られ,再現精度が更に向上した。 以上より本研究は,地下ダムサイトにおいて高精度復元されたモデルの構築ならびに地下水解析ができる手法を構築できたと言える.
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