研究課題/領域番号 |
15780166
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業環境工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
椎名 達雄 千葉大学, 工学部, 助手 (80304187)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | OCT / Optical Coherence Tomography / 低コヒーレンス / 植物 / センシング / 生態環境 / スキャナー / OCT(Optical Coherence Tomography) |
研究概要 |
携帯型光計測システムを用いた植物育成・生態環境センシング手法の確立を目指し、低コヒーレンス干渉断層画像法(Optical Coherence Tomography : OCT)による植物計測システムの開発を行った。計測深度40mm、速度変動率3%以下で、かつ繰り返し計測周波数を可変できる、可変光路拡大機構を考案しシステムへ導入している。高精度な計測対象の位置決めが必要なくなり、システムの簡易化、安定性の向上、及び不定形サンプルを対象とした計測が可能となった。特に植物のように、大きさや形が不揃いな果実、発芽・開花といった育成に伴う形態の変化を計測する上で長深度計測は効果的である。また、光ファイバ光学系によりシステムの小型・軽量化をはかり、計測対象への落射光導入の自由度も大きい。開発したOCTシステムを用いて、実際の植物計測を試みた。 果実や野菜等の表皮内部構造の計測では組織の生長方向による違いや細胞の大きさに依存した計測波形の特徴的な変化を判断することができた。野菜の表皮腐敗に伴うOCT計測結果と製品価値との相関を考察した。また、水分含有量の違いによる組織・構造変化の計測を行い、焦点調整をせずにダイナミックに変化する植物細胞の応答をモニタすることができた。植物の生理学的な内部応答の例として、種子発芽の際の成長の様子を時間を追って計測し、顕微鏡観察では得られない、植物の動的な活動を計測できることを確認した。 携帯型OCT植物計測システムとしての開発には成功したものの課題も残されている。長深度計測を優先させたことで落射ビーム径の大きさが原因となって、計測で得た断層像の分解能が十分ではない。長深度計測範囲を保持したままビーム径を小さくする落射光学系を考察しており、解析によってその有効性を確認している。今後その分解能向上をはかるとともに、得られる断層画像と植物生理化学反応との対応を考察し、植物計測データの統計的な評価を行う予定である。
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