研究課題/領域番号 |
15780181
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
万年 英之 神戸大学, 農学部, 助教授 (20263395)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 日本ウズラ / 連鎖地図 / マッピング / 機能遺伝子 / 筋ジストロフィー / 比較染色体地図 / シンテニー / ニューロフィラメント欠損症 |
研究概要 |
本研究は最小の家禽であるニホンウズラ(Coturnix japonica)の遺伝連鎖地図の構築およびその連鎖地図とニワトリ遺伝子地図間での比較染色体地図の構築を目的とした。 近年、家畜・家禽においても遺伝子地図の構築が急速に進められているが、鳥類の実験動物および経済動物として多くの利点を有する日本ウズラについては遺伝子連鎖地図の構築が行われてこなかった。この観点から申請者は1)AFLP (amplified fragment length polymorphism)法を用いたニホンウズラの連鎖地図構築、2)機能遺伝子の連鎖地図上への位置付け、3)ニワトリとの比較染色体分析を行い、相同染色体領域を同定する、の3点を目的とした。 最終的に、1933のAFLPマーカーを得ることで高密度な連鎖グループの構築に成功した。この、実際の遺伝子座数としては646であった。この地図は66の連鎖グループからなり、その全長は3200cMであった。 マイクロサテライトを含む機能遺伝子に対するマーカー開発、cDNA-AFLPを用いたマーカー開発、ニワトリゲノム情報を生かした機能遺伝子に対するマーカー開発により、合計30の機能遺伝子が構築した連鎖地図上に位置付けられた。この機能遺伝子マッピングの結果から、構築したニホンウズラ第1、2、3、4、6連鎖群がそれぞれニワトリ第1、2、3、4、5染色体と相同であることが示された。特に第2連鎖群に関しては物理マッピングによって、ニホンウズラの第2染色体に位置付けられた機能遺伝子VIPRが位置付けられたので第2染色体であると断定した。この日本ウズラ-ニワトリ間の相同遺伝子領域はよく保存されており、その比較染色体地図分析から機能遺伝子の順序までよく保存されていることが示された。本家系は筋ジストロフィーとニューロフィラメント欠損の表現型を持ち、これらと連鎖グループ間での連鎖解析を行ったところ、ニューロフィラメント欠損は第6連鎖群に位置付けられ、また筋ジストロフィー表現型とは連鎖が認められなかった。 本研究の結果、日本ウズラにおける遺伝子地図の構築に成功した。そのニワトリとの比較染色体地図から、日本ウズラとニワトリは染色体情報においてもよく保存され、近縁種であることを裏付けている。課題としては、マイクロ染色体における保存性、マクロ染色体における染色変化の箇所を同定するために、より多くの機能遺伝子をこの地図上に位置付けることが期待される。
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