研究課題/領域番号 |
15780193
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
迫田 義博 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40333637)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 牛ウイルス性下痢ウイルス / フラビウイルス / 病原性 / 分子シャペロン |
研究概要 |
牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)に感染した牛が致死的な粘膜病を発病する際には、ウイルス遺伝子内に宿主由来遺伝子が挿入することが明らかになっている。この宿主遺伝子の一つとしてcINS遺伝子がある。このcINS遺伝子から翻訳される蛋白は分子シャペロンとして機能し、BVDVの病原性発揮に関与していると考えられるが、詳細は不明である。 本年度は、昨年作出した組換えcINS蛋白に対するモノクローン抗体、およびNS2-3蛋白発現プラスミドを用いて、cINS蛋白がNS2-3蛋白の開裂に直接作用するのかを明らかにするとともに、分子シャペロンであるcINS蛋白と相互作用すると考えられる新たな宿主因子をTwo Hybridシステムで検索した。その結果、cINS蛋白とNS2-3は直接結合することがわかった。しかし、NS2-3の開裂には宿主由来の蛋白が2つ必須であることが明らかになった。現在これらの宿主因子の機能解析を詳細に行っている。また、作製されたモノクローン抗体を利用して、cINS遺伝子がウイルスゲノムに取り込まれているウイルス株を野外ウイルス株から選択し、Nose株の病原性獲得メカニズムとの比較を行った。その結果、野外にはNose株と同様の病原性獲得メカニズムによって病原性を獲得したと思われるウイルスが1株確認された。さらに、BVDVと同じペスチウイルスに属する豚コレラウイルスの新たな細胞病原性にもNS2-3の開裂が関与することが分かった。現在、本開裂に関与する宿主因子が上記で同定された2つと類似するものか比較解析を行っている。 以上より牛ウイルス性下痢ウイルスを中心としたペスチウイルス属の病原性獲得には、分子シャペロンcINSと相互作用する今回同定された宿主因子が重要な役割を担っていることが明らかとなった。今後、これらの宿主因子の蛋白機能解析を進めていく予定である。
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