研究課題/領域番号 |
15780212
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河井 重幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (00303909)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | NADキナーゼ / NADHキナーゼ / リン酸受容体特異性 / 立体構造情報 / 機能変換 / 古細菌 / Methanococcus jannaschii / NADPase / ポリリン酸依存キナーゼ / ATP特異的キナーゼ / ポリリン酸 / グルコマンノキナーゼ / X線結晶構造 / 進化的・構造的相関 / ヘキソキナーゼ / 分岐進化 / エネルギー代謝酵素 / ポリリン酸利用型酵素 / 構造機能相関 / ATP利用型酵素 / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
本研究では、種々の細菌由来NADキナーゼのリン酸受容体特異性について明らかにし、NADキナーゼ(NADに特異的)とNADHキナーゼ(NADとNADHに作用)の存在を実証した。さらに、これまでに本研究助成で決定したNADキナーゼの立体構造情報に基づいて、NADキナーゼにおけるリン酸受容体特異性を規定する構造特性を明らかにすると共に、NADキナーゼをNADHキナーゼに分子転換する手法の構築を試みた。すなわち、NADHとNADは、ニコチンアミド環において異なるため、NADのニコチンアミド環近傍のアミノ酸残基に注目した結果、1アミノ酸残基の置換により、NADキナーゼをNADHキナーゼに機能変換することに成功した。更に詳細な解析により、NADキナーゼとNADHキナーゼのリン酸受容体特異性の違いを規定する構造要因(アミノ酸残基)に関する知見を得た。尚、本研究で着目した部位に存在するアミノ酸残基は、207個のNADキナーゼホモログー次構造において、生物種特異的に保存されていることも見出した。一方、古細菌Methanococcus jannaschii由来NADキナーゼMJ0917に着目することにより、NADP分解系並びにNAD/NADP比の制御機構に関して新しい知見を得た。精製MJ0917タンパク質は、NADキナーゼ活性の他に、フルクトース-1,6-二リン酸、NADPH、そして特にNADPに対して強いフォスファターゼ活性を示すことを実証し、MJ0917がNADPaseとNADキナーゼの融合タンパク質として機能し得ることを示した。NADPの生合成と分解という相反する活性を持ちながらも、本酵素は生体内NAD/NADP比の調節を可能にする巧妙な生化学的特徴を備えていることも明らかにした。更にこれらの知見は、他のI-1-PaseホモログもNADPaseである可能性をも示した。
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