研究課題/領域番号 |
15790008
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮部 豪人 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10289035)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ラジカル反応 / イリジウム / インジウム / 環境調和 / 水中 / アリル / アリル位置換反応 / アリル化 |
研究概要 |
グリーンケミストリーの重要性が認められるにつれて、環境調和適応型合成反応の開発が注目されている。私は、煩雑な保護-脱保護のプロセスを省ける水中反応の開発を目的として、遷移金属反応やラジカル反応に着目した研究を展開している。はじめに、触媒反応として、イリジウム触媒を用いたアリル位置換反応を研究し、新規酸素原子求核剤として、オキシムやヒドロキシルアミン類が有用であることを見い出した。次に、本イリジウム触媒反応をPy-Boxリガンドを用いた位置およびエナンチオ選択的な反応に発展させた後、水中アリル位置換反応に展開した。現在、Py-Boxリガンドへの親水性基やパーフルオロ基の導入を検討している。また、金属インジウムとパラジウム触媒を用いたオキシムエーテル類のアリル化反応においては、水の有無によりジアステレオ選択性や位置選択性が変化することを見い出し、アリル化反応における可逆性と水の重要な働きを示すことができた。次に、ラジカル反応研究としては、金属インジウムが水中でラジカル開始剤として働き、水中炭素-炭素結合形成反応に利用できることを見い出した。また、金属亜鉛をラジカル開始剤として用いた水中反応としては、ヒドラジン類へのジアステレオ選択的なラジカル付加反応が速やかに進行することを見い出した。さらに、ラジカル反応におけるケトイミン類の反応性を検討し、反応活性なケトイミン類を見い出すと共に、水中炭素-炭素結合形成反応でも利用できることを示した。今後、ケトイミノ受容体に親水性側鎖を導入して、水中での反応性向上に努める。最後に、プロセスを短縮できる環境調和適応型反応としてタンデム反応を研究し、遷移金属触媒反応とラジカル反応を融合した反応が、アミノ酸合成に利用できることを示した。
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