研究課題/領域番号 |
15790024
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野口 修治 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60237823)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | タンパク質翻訳後修飾 / イソアスパラギン酸 / アスパラギン酸異性化 / アスパラギン脱アミド / 異性化タンパク質 / アスパラギン異性化 |
研究概要 |
ヒト由来イソアスパラギン酸メチル基転移酵素(hPIMT)の分子表面に存在して容易に酸化されてタンパク質の変性を促進させると考えられたシステイン残基をセリンに置換した変異体タンパク質の発現系を構築し、精製方法を検討した。硫安沈殿では、目的タンパク質は硫安1.5Mから2.0Mの範囲で沈殿することがわかった。また、目的タンパク質はpH7.5で陰イオン交換クロマトカラムに吸着し、NaCl濃度が0.15Mから0.20Mで溶出されることがわかった。硫安分画と陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせた精製法により培養液1リットルあたり約10mgの精製タンパク質試料が得られた。hPIMTのN末端及びC末端の数アミノ酸残基は定まったコンフォメーションを形成せず、立体構造保持にも酵素活性にも関わらないと考えられるが、それらのアミノ酸残基を取り除いた変異体タンパク質の発現系も構築した。精製条件を検討したところ、ほぼ同様の手順で精製タンパク質試料を得ることができ、その収量は培養液1リットルあたり約12mgであった。メチル基転移反応の結果生じるS-アデノシルホモシステイン存在下、及びS-アデノシルホモシステインとイソアスパラギン酸を含む基質ペプチドの共存下で結晶化を試みたが、アモルファス状の沈殿のみが得られた。 本研究で確立したhPIMTの発現系と精製方法を応用すれば、結晶化を阻害すると考えられる分子表面のアミノ酸残基を種々に置換した変異体タンパク質を容易かつ大量に精製することができ、hPIMT変異体と基質ペプチドとの複合体の結晶化を行う際にタンパク質結晶工学的手法を適用することが可能になった。
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