研究課題/領域番号 |
15790026
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中野 実 京都大学, 薬学研究科, 助手 (70314226)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 両連続キュービック / ラメラ / レシチン / モノオレイン / 蛍光 / パッキングストレス / フォスフォリパーゼD / 両親媒性ペプチド / 逆ヘキサゴナル / X線小角散乱 / リポソーム / キュボソーム |
研究概要 |
リン脂質の2本のアシル鎖(炭素数10)の末端にピレンを有するDipyrenylPCが、その2つのピレン基間の距離に応じてエキシマー蛍光を発することを利用し、Palmitoyloleoylphosphatidylcholine (PC)とMonoolein (MO)の水和脂質混合物に生じるパッキングストレスの評価を行った。脂質混合物中のピレン蛍光のエキシマー/モノマー蛍光強度比はMOの割合の増加と共に増加し、ラメラ-キュービック相転移直前で最大となった。また、キュービック相への転移により減少し、キュービック相においては蛍光強度比は脂質組成に依存しなかった。この結果は、前年度に行った蛍光プローブDPH-PAの時間分割蛍光異方性測定の結果とも対応しており、ラメラ相において負の曲率を与える脂質MOが増加すると、アシル鎖領域の側方圧力が増加し、相転移と共に緩和されることが示された。 膜脂質を基質とする酵素反応におけるパッキングストレスの影響を評価するため、PC/MO混合リポソーム膜に対するフォスフォリパーゼD(PLD)の反応を酵素電極法を用いて追跡した。MOを0〜50mol%含むリポソームに対するPLDのPC加水分解反応のKmおよびVmaxは脂質組成に依存しなかったが、相転移に近い組成である、MOを60%含む膜に対してはKm,Vmaxともに減少した。このことから、アシル鎖領域のパッキングストレスが大きくなると脂質極性基付近での反応にも影響を与えるようになることが示唆された。さらに、両親媒性ペプチド18Aの膜への結合親和性がPC膜に比べPC/MO混合膜のほうが高いことがゲル濾過クロマトグラフィの結果から明らかとなった。
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